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2015年10月1日木曜日

両生類から哺乳類への進化

理科の編集をしていると,説が変わることにより,内容を更新しなければならない場面がよくあります。

科学の研究は日進月歩なので,常に新しい研究発表に目を光らせていなければなりません。

とはいえ,すべの情報を知るのは難しいのも現状です。

学校で使用される教科書は,だいたい4年周期で改訂されるので,そのタイミングで新しい説に更新されるケースが多く,教材編集に携わってている人は,そこで変化を知る人も多いと思います。

しかし,教材編集に携わっている人に限らず,学校や塾の先生でも,気付かずに過ごしている人も多いのが現状のようです。

その一つに,両生類から哺乳類への進化があります。

先日,生命大躍進展に行ってきたので,ふとそのことを思い出しました。
DNA鑑定ができるようになり,進化の研究はさらにスピードが増したようで,少し知識の収集をサボっていると,あっというまに説が変わったり,複数の説が出たりということがあります。

かつて哺乳類は,爬虫類から鳥類と哺乳類が分岐する形で進化したと,ざっくりと覚えた人も多いと思います。

しかし,今の説は違います。

ざっくりいうと,爬虫類も哺乳類も,両生類から進化したというのが,最新の説です。

もう少し詳細にいうと,両生類から初期の単弓類と爬虫類系に分かれ,その単弓類から哺乳類が進化したようなのです。

さらに爬虫類は,絶滅したものを除くと,ざっくりとヘビ・トカゲ類系とカメ・ワニ類系に分かれます。

しかし,中途半端に私がここで書くよりは,興味のある方は調べてみてください。

とりあえず,現行版の教科書では,発展として進化の系統樹が載っているものもありますが,両生類が爬虫類・哺乳類へと進化したような図になっていると思います。

教科書にはそんな詳細は書かれていないのですが,知らないと間違った知識を教材に反映してしまったり,子どもたちに教えてしまったりします。

そういえば,植物細胞と動物細胞の共通する細胞小器官として,核・細胞膜のほかに,細胞質をいまだに入れているものも見かけます。

知識をしっかり更新していかないと,子どもたちに迷惑をかけるので,変化にはしっかりと対応していかなければなりません。

2012年3月10日土曜日

顕微鏡

埼玉県の今年の公立高校入試の理科の問題で,出題ミスがありました。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20120306/CK2012030602000052.html

光学顕微鏡におけるプレパラートの移動の仕方の問題です。

一般的には上下左右が逆になるのですが,顕微鏡によっては左右が逆にならないものがあるとのこと。
そして,そのような顕微鏡を使用している埼玉の学校の先生から指摘があったようです。

教材やテストなどを作成する上では,よく使用する問題ですが,その教材やテストの使用現場によっては,出題の有無に注意が必要ですね。

条件設定でカバーするのか,そもそも出題するのをやめるのか,もしくはそのような事実も踏まえた上で出題するのか。

求められる現場によって要望が違うので,改めて出題すべきかどうかの有無を考えさせられます。


ところで,「上下左右が逆」ということばをよく使いますが,この「上下」ということばに多少違和感を覚えます。


紙面上に図を書いたときは「上下」ですが,実際に接眼レンズを覗いているときは,「前後」のほうが適切なような気がしなくもありません。

上下というと,鉛直方向に対して上か下かという印象になり,そうなると事実と変わってしまいます。

資料集などを見ていると,「前後左右が逆」という表記のものもあるので,そのような資料集では「上下」に違和感を覚えているのかもしれません。(想像ですが・・・)



さて,公立高校入試が全国で行われていますが,今年はなかなか分析する時間がとれません。

改訂期ということで,現在は夏休み教材の制作で手一杯です。

何とか時間をつくって,各都道府県の入試をじっくり見たいものです。

2012年2月26日日曜日

分解者

新しい教科書では,分解者の定義が変わりました。

旧教科書までは,食物連鎖における消費者と分解者は別々のものという扱いで,分解者とは菌類や細菌類などの微生物を分解者と呼んでいました。

しかし,新教科書では,枯死したものを消費するミミズなどの小動物と,菌類や細菌類などの微生物をまとめて分解者という扱いとなり,分解者は消費者の一部という考えになりました。

そもそも消費者は,生産者がつくった有機物を取り込み,無機物に分解しているので,いままでの消費者と分解者が別々という定義は,少々微妙だったのかもしれません。

しかし,中学生レベルで考えれば,そのほうがわかりやすく,よかったとも思えます。

いずれにしても,中学生レベルにおける認知としてのグレーゾーンが,いろいろと科学的により適切な方向に修正されたものの一つではないかと思っています。

2012年2月25日土曜日

デンプンが分解されて

今日は我が子が,昼寝をほとんどせず,そして夕飯後にも眠くならず,23時の少し前に寝付いてくれました。

23時前に寝付いてくれると,自分の時間を作ることができて,大変嬉しいです。

最近切に,FUNKY MONKEY BABYSの「ヒーロー」という歌が心に響くのですが,特に響く部分は「身体に鞭打って家族サービス また迎える月曜日」という部分です。

1週間のうち,月曜の朝が一番疲れている気がする今日この頃,子育ては本当に大変ですね。

まあ,それ以上に嬉しく楽しいことが多いのが子育てでもありますし,いろいろと考えさせられることも多く勉強にもなります。



さて,新しい教科書では,デンプンが分解されたものを「糖」とは表記されなくなりました。

以前の教科書では,だ液の実験などで,「デンプンが分解されて糖ができる」と表現されていました。

そして,ベネジクト液の反応において,加熱して赤褐色の沈殿ができると,「糖ができていることがわかる」という表現になりました。


しかし,そもそもデンプンは多糖類という分子構造の大きい糖であり,分解されてできたものが,二糖類の麦芽糖や単糖類のブドウ糖などの,分子構造の小さい糖です。

つまり,分解されて糖になるという表現は,言い換えれば「糖が糖になる」という,訳の分からない表現だったので,より正確な表現になったということでしょうか。

もし,新しい教科書ベースで中学生に伝えるのであれば「大きな糖が分解されて小さい糖になった」というと,少しわかりやすいかもしれません。

いずれにしても,麦芽糖が載っている教科書もあれば,「ブドウ糖が2つや3つつながったもの」であったり,「ブドウ糖がいくつかつながったもの」であったりと,教科書によって表記が異なるので,どのような表現にすべきかは,ケースバイケースで使い分ける必要がありそうです。

2012年2月19日日曜日

グリセリンとモノグリセリド

子供が小さいと,なかなか自分だけの時間をつくるのが難しいですね。

ひたすら息子と遊び,抱っこをし,ご飯を食べさせ,お風呂に入れ,寝かしつける……というように相手をしていると,毎日自宅にいる時間は,あっという間に過ぎてしまいます。

昨年の改訂期も大変でしたが,子供の相手のほうが大変だと,改めて実感しています。


さて,新しい教科書の中で大きな変化のあったものの一つといえば,2年の生物分野で,脂肪が分解されてできるものが,今までは「脂肪酸とグリセリン」であったものが,「脂肪酸とモノグリセリド」に変わったことでしょうか。

もちろん,脂肪が3つの脂肪酸と1つのグリセリンからできていること,つまりトリグリセリドであること自体は,構造の話なので変わっていません。

そして,リパーゼが脂肪を3つの脂肪酸と1つのグリセリンに分解できるという事実も,おそらく変わっていないと思います。

教科書だけからは詳細がわかりませんが,いろいろと調べてみると,リパーゼが体内で脂肪を分解していくと,モノグリセリド(1つのグリセリンと1つの脂肪酸が結合した状態)になったところで,胆汁酸のはたらきでミセル化され,体内に吸収されるようです。

もちろん,ミセル化される前にグリセリンにまで分解されれば水に溶けて体内に吸収されるようですが,グリセリンにまで分解されるより速くモノグリセリドの状態でミセル化が進み,体内に吸収されるのだと思われます。

指導書を見ていないので正しいかどうかは分かりませんが,現段階での私の中での認識です。

間違っていたらすみません。

2012年1月31日火曜日

花粉のう

平成24年度からの教科書での変化について、少しずつまとめておこうと思います。

今回は、1年の最初に学習するであろう植物分野から。

裸子植物で、これまで花粉ぶくろ(袋)とかやく(葯)とか呼ばれていた部分が、新教科書では「花粉のう(嚢)」に統一されました。

教科書の展示本が出て驚かれた方も多かったと思います。

しかし、今思えば、移行措置でシダ植物が扱われたときに、「胞子のう」という用語が出たあたりで、袋状(嚢状)のものを「のう」と中学でも表現することを可としたのだと想像できます。

とはいっても、中学1年生の段階で、嚢状という言葉がどれほど実感できるかという点では、少々疑問も残りますが。

いずれにしても、平成24年度の1年生から花粉のうが扱われるので、それ以前の生徒は花粉ぶくろ、またはやくと学習しています。

そのため、あと2年間は、模試では旧用語で作成しなければなりませんし、だからといって新用語が間違いというわけでもないので、採点基準などを作成する際には、配慮が必要です。

2011年2月11日金曜日

恐竜の前脚と鳥類の翼

恐竜の前脚と鳥類の翼に関する研究の報告が,ニュースで取り上げられていました。

新学習指導要領では進化を扱い,相同器官が取り上げられます。

知識として知っておくとよいかと思います。

asahi.com
『鳥の祖先、やっぱり恐竜 前脚の指同じ構成 東北大』
http://www.asahi.com/science/update/0210/TKY201102100547.html?ref=rss

毎日jp
『恐竜:前脚の指と鳥類の翼は同じ構造 東北大教授が発表』
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110211k0000m040138000c.html?inb=ra

2011年1月17日月曜日

センター試験

センター試験が終わりました。

今は小中学教材製作が主な仕事なので,仕事上では直接の影響はありません。

しかし,学習指導要領の改訂で,高校内容から中学へ降りてきた内容が多々あります。

そのような内容の問題を作成するにあたり,センター試験も参考になります。

特に,理科総合Aや理科総合Bなどは,一部の都道府県の公立高校入試問題で出されている,分野をまたいで総合的に考えさせる問題などを作成するのに,参考になるかもしれません。

高校の教材編集をやっていない方も,理科総合AとBの問題をちょっと解いてみると,いろいろと作問の幅が広がるかもしれません。

2010年11月13日土曜日

アノマロカリス

『地球最古の大型捕食動物と考えられていた、エビに似た巨大な生物アノマロカリス・カナデンシスが、実際はぜん虫類を主食とする“軟弱者”だったとする最新の研究が発表された。』という記事がありました。

詳細は,以下のURL(ナショナルジオグラフィックニュース)をご覧ください。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20101104004&expand


古生代カンブリア紀の代表的な動物であるアノマロカリスは,個人的には大好きな動物です。

最初にアノマロカリスを知ったのは,高校生くらいのころだったと思います。

高校生のとき,NHKスペシャルで,「生命40億年はるかな旅」という進化に関する特集をやっていました。

いまだにそのNHKスペシャルを見て感動したことを覚えているのが,アノマロカリスの特集です。

クラゲのような形の動物の化石だと思われていたものが,大型の捕食性動物であるアノマロカリスであり,それがわかったことで説が覆されたといったようなことを述べていた記憶があります。

そのクラゲのような形の化石が,大型捕食動物であるアノマロカリスの口であることがわかったことから,三葉虫などの硬い殻をもつ生物を噛み砕いて食べていたのだと言っていたことも,何となく覚えています。

また,アノマロカリスのラジコンをつくり,プールを泳がせていたところをみて,当時すごく感動しました。

そのNHKスペシャルを見たあと,学校の図書館で進化に関する図鑑を見ていたことも,何となく覚えており,「進化っておもしろい」と感激していた時期でした。


さて,その記憶が覆されるのが,今回の記事です。

アノマロカリスの口は,三葉虫のような硬い殻を持つ生物を噛み砕くことはできなかったのではないかという説です。

進化については説が時々説が覆るのでおもしろいのですが,仕事上は注意をしていないと,嘘をいってしまうことにもなりかねないので,注意が必要です。

2010年11月1日月曜日

神経細胞

中学2年でヒトのからだについて学習するとき,次の図のような神経細胞の簡略図を示すことがあると思います。



この図について,簡略図とはいえ,基本的な間違いをよく見かけます。

そもそも,この簡略図がどのような図を簡略化しているかというと,次のような図です。
(ちょっと雑ですが…)



つまり,簡略図にネームを書き足すと,次のようになります。



まず基本的なこととして,神経細胞は細胞体と軸索からなりますが,感覚神経の細胞体がない図を多々見かけます。

神経細胞としての基本構造が成っていません。

続いてよく見かける間違いが,次のような図で,赤で示した神経細胞です。



2つ目の図で「伝導」と「伝達」というネームと矢印を入れていますが,伝導は電気信号,伝達は化学物質による信号で,それぞれ伝わる方向に規則があります。

電気信号である伝導は,刺激を受けたところからどちらにも伝わりますが,化学物質による伝達は,神経末端のシナプス小胞からシナプスに放出される神経伝達物質が,次の神経細胞の細胞体の樹状突起に興奮が伝わります。

つまり,神経末端から細胞体の方向へ伝達するのに,神経末端から神経末端に伝達が起こってしまっています。

これはさすがにおかしいと思います。

描くとすれば,



または,



でしょうか。

これなら,神経末端から細胞体へ伝達している図になると思います。

最後に,感覚細胞の細胞体を示す際に,背根のない図もよく見かけます。

感覚神経の細胞体は,背根にありますので,背根のない図も,違和感を覚えます。



かなり簡単な説明ですが,簡略図とはいえ,基本は押さえておいたほうがよいと思います。

なお,反射には,膝蓋腱反射のように,介在神経を介さず,感覚神経と運動神経のみの単一シナプス反射もあるので,(中学理科ではあまり影響はないとは思いますが,)注意が必要です。

2010年10月31日日曜日

アサガオ

理科の教材を制作していると,アサガオがときどき出てきます。

アサガオを扱うときに文字だけや写真で扱うのであれば問題ないことですが,作図する場合に気をつけたいのが,つるの巻き方です。

植物は種類によって巻き方が遺伝的に決まっており,アサガオであれば左巻きです。

なお,この左巻きという表現は,アサガオを上から見たときに左回り,つまり反時計回りに巻きついていくから左巻きというようです。

しかし,植物学の世界では左巻きという表現が,一般的な科学の世界では右巻きと言われることから,現在では右巻きと言われるようになってきているようです。

正確なところはわかりませんが,教科書や教材上では,誤解を招かないように右巻きや左巻きという表現は扱わないほうがよいでしょう。

とわいっても,巻き方に決まりがあるので,作図の際は気をつけなければなりません。

ちなみに,アサガオの花のつぼみの巻き方は,つるとは逆向きなので,こちらも注意が必要です。

また,植物によっても右巻きと左巻きが異なりますし,属は同じでも種が違えば,つるの巻き方が異なるものもありそうです。

2010年10月26日火曜日

蒸散

蒸散は“現象”なのか“はたらき”なのかというのが,ときどき話題となります。

教科書での表現如何にかかわらず,学者や先生によって,考え方が異なる部分のようです。

しかし,現在の中高生物においては,“現象”と表現しているほうが多いような気もします。


さて,その蒸散ですが,たとえば「植物の表面から水分が蒸発する現象」というような表現で教科書等で示されています。

つまり,植物が何かしらのエネルギーを利用して行っているわけではなく,気孔が開いているときに,水が水蒸気として気孔から出て行ってしまうということです。

このように定義すると,はたらきと考えるよりも現象ととらえるほうが自然な気がします。

では,気孔がどうして開いたり閉じたりするかというと,孔辺細胞の浸透圧や膨圧が変化するからです。

根からの吸水が高くなり孔辺細胞の膨圧が上がると,孔辺細胞が湾曲して気孔が開き,その結果として気孔から水蒸気が蒸発していきます。

逆に乾燥状態になると孔辺細胞の膨圧が下がるので,孔辺細胞が湾曲が小さくなって気孔が閉じ,その結果として気孔からの水蒸気の蒸発が減ります。

なお,植物体が乾燥状態になるとアブシシン酸という植物ホルモンが合成され,孔辺細胞の濃度が高まります。

アブシシン酸は孔辺細胞の浸透圧を下げるので,液胞から水分が失われることで膨圧が下がり,気孔が閉じて植物体からの蒸散量が下がります。

逆に水分量が多いときはサイトカイニンの濃度が高まり,気孔が開きます。

このように考えると,アブシシン酸やサイトカイニンなどの植物ホルモンの“はたらき”で気孔が開閉し,その結果として蒸散量が増減しているといえるので,蒸散は“現象”としてとらえたほうがしっくりしそうな気がします。

いかがでしょうか。

2010年9月26日日曜日

カモノハシ

今年の移行措置で,中2から生物の進化が扱われるようになりました。

各教科書会社の補助教材を見てみると,カモノハシが扱われているところもあります。

このカモノハシについて,補助教材では,爬虫類から哺乳類への進化の証拠であったり,爬虫類の特徴を残した哺乳類といったような表現がされていたりしています。

しかし,このカモノハシについて,鳥類の特徴もありますよとの校正者さんからの指摘を受けて調べてみたところ,2008年に発表されたゲノム解読結果では,爬虫類と鳥類と哺乳類の特徴を同じくらいずつ持つようです。

とりあえず,インターネット上で見かけた情報サイトは,以下の通りです。

NEDO海外レポート
http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/1025/1025-06.pdf

AFP BBNews
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2388402/2908952

これまで私も,カモノハシについては補助教材のような認識でしたが,これを踏まえて,教材上での表現は検討し直したほうがよさそうです。

とはいっても,公立高校入試は教科書および補助教材に則って出題されるので,少なくとも今の中学2年生が受験する2年後の公立高校入試でカモノハシが取り上げられる場合は,補助教材での表現に則って出題されるものと思われます。

(正直なところ,「それでよいのか」と思わなくもないのですが…。)

2010年9月2日木曜日

光合成とBTB溶液

BTB溶液を溶かした水にオオカナダモを入れて光を当てると,水中の二酸化炭素が吸収されることから,光合成では二酸化炭素が使われることがわかる・・・という実験があります。

この実験は,光合成で発生する酸素の泡に二酸化炭素が取り込まれることによって水中の二酸化炭素が減少する可能性も否めないということで,教科書によっては扱っていないものもあります。

しかし,扱っている教科書もあるので,光合成によって水中の二酸化炭素が使用されて減少するとして,今日の話題は展開したいと思います。

この実験について教材で取り上げるとき,表現に少し注意が必要です。

まず,この実験を始めるにあたり,水にBTBを溶かします。

このときの水は水道水を使用する可能性が高く,その水道水はアルカリ性寄りであるため,水道水にBTB溶液を溶かすと,青色を示します。

この青色を示した水溶液に呼気を吹きこむことで,呼気中の二酸化炭素が水溶液中に溶けこみます。

この操作により,BTB溶液を緑色にします。

つまり,呼気によって二酸化炭素を水溶液中に溶けこませるのです。

そして,オオカナダモを入れて光合成を行わせることで,溶けこませた二酸化炭素が使用されて,青色に「戻る」のです。

最初から中性で緑色を示した水溶液があり,その中に二酸化炭素が溶けているわけではありませんので,ご注意ください。

2010年8月16日月曜日

イモリとヤモリ

少し前までは,両生類の例としてイモリが,爬虫類の例としてヤモリがよく扱われていました。

しかし,最近はめっきり取り扱われる機会が少なくなったような気がします。

そもそも,今の子どもたちが,イモリやヤモリを見たことがあるかどうかは疑問です。

中学生レベルであれば,身近な生物で理科の内容を理解すればよいと思うので,教材等で子どもたちが見たこともないようなイモリやヤモリを扱い,間違いやすい選択肢とするのもいかがなものかと思えます。

そういう私も,ここ数年はイモリもヤモリも見ていません。

最後に見たのは何年前でしょうか…。少なくとも,関東に来てからは見ていません。

関東に来てからは山を散策する回数も減ってしまったので,出会う機会も減ってしまったというのもあります。

しかし,わざわざ出会いに行かないと出会えないイモリやヤモリは,テレビや本などで広く一般的に取り上げられるような動物よりは,一般的ではないでしょう。

一般的な生物という感覚も,これからは大きく変わっていくことでしょう。

ところで,このイモリとヤモリですが,漢字で書くと「井守」と「家守」と表せます。

水辺で生息することから,井戸を守るに転じて,井守となったのでしょうか。

詳しくは分かりませんが,水辺に生息するというイメージが名前からわかるので,両生類ということがわかります。

対して,家を守るという意味の家守は,水辺でなくても生息できるというイメージが名前からわかるので,爬虫類ということがわかります。

理科が暗記教科の一つであるような考え方は好きではありませんが,このような言葉のイメージから理科を楽しむのもよいかもしれません。

2010年8月9日月曜日

スルメイカ

夏期休暇に入りました。

とはいっても,自宅で仕事三昧の日々を過ごしております。

そんな仕事三昧の中にも,少しは楽しみを…ということで,スルメイカを買ってきて,開いてみました。

そして写真を撮り,背景の色を変更したり,引き出し線と文字を入れてみたりと,加工してみました。



少々自信のない部分もありますので,間違っていたらすみません。

もっとじっくりと観察すべきでしたが,夕飯をつくるついでに撮影したので,写真を撮るにとどまってしまいました。

ちなみに,外套膜は刺身に,鰭と腕は醤油と砂糖で炒めたあと,水溶き片栗粉でとろみをつけていただきました。

なお,外套膜の刺身は,醤油ではなく,私は肝臓につけて食べます。

塩辛のように数日間置いてから食べるのもよいですが,新鮮な肝臓はそれだけでじゅうぶんにうまいので,醤油のかわりでじゅうぶんです。

お勧めですが,鮮度や寄生虫などの保障はしかねますので,自己責任でお願いいたします。

2010年7月3日土曜日

成長点

以前,「最近は成長点という用語を使用しなくなった」という話をしました。

http://rika-kyozai.blogspot.com/2010/02/blog-post_05.html


なぜ使用しなくなったのかについて,「啓林館ユーザーの広場」のサイトの高校生物1改訂版の解説の中で触れられていましたので,ご紹介いたします。

http://www.keirinkan.com/kori/kori_biology/kori_biology_1_kaitei/contents/bi-1/1-bu/1-3-4.htm

教科書で使用されなくなった理由などは,指導書や教授資料,教科書会社のサイトなどで情報提供されていることが多いので,調べてみると知識が深まり,面白いです。

2010年6月26日土曜日

果実と胚珠

今年の三重県の入試で,サクラの果実(さくらんぼ)の断面の写真が出ていました。

しかしその写真が白黒でわかりにくいので,カラー写真を撮ってみました。

といっても,スーパーで売っていたアメリカンチェリーです。



個人的には,さくらんぼを食べるのなら,アメリカンチェリーが好きですね。

教材で使用できる写真はフォトエージェンシーから借りることも多いと思いますが,身近にあるものはこのように自分で楽しんで撮ってみるのもよいかと思います。

2010年6月22日火曜日

恒温動物と変温動物

まわりの温度の変化にともなって,体温が変化する動物を変温動物といいます。

対して,まわりの温度が変化しても,体温が変化せず,体温を一定に保つことができる動物を恒温動物といいます。

では,「まわりの温度が変化しても,体温を一定に保つことができる」動物を恒温動物というならば,「まわりの温度が変化すると,体温を一定に保つことができない」動物を変温動物といってよいのでしょうか。


「恒温動物は,体温を一定に保つことが“できる”」は,その通りのことなので,問題ないように感じます。

しかし,「変温動物は,体温を一定に保つことが“できない”」は,表現に違和感を若干覚えます。

エネルギー消費の面から考えると,まわりの温度の変化によって体温が変化するほうが,無駄なエネルギーを消費する必要もなく,効率的です。

(恒温動物は体温を一定に保つために,多くのエネルギーを消費します)

そう考えると,“できない”という恒温動物よりも劣っているというイメージをもってしまうような表現を使うことに,少々抵抗を感じます。

確かに,進化の過程から考えると,鳥類や哺乳類などの恒温動物のほうが,魚類や両生類,爬虫類などの変温動物よりも高等な動物だと思えます。

しかし,地球環境の変化や進化の過程の中で,たまたま体温を一定に保つ機能をもった動物のほうが繁栄しやすかっただけで,もともと体温を一定に保つ機能をもつ必要性のなかった動物自体が劣っているわけではないように感じます。

個人的な感覚だけの話かもしれませんが,文で示すとすれば,「変温動物は,自力で体温を一定に保つ機能をもっていない」くらいであれば,違和感が少ない気もします。

ただし,「自力で体温を一定に保つ機能をもっていない動物を変温動物という」というと,ちょっと違う気もします。

どちらも同じだといわれる方もいるかと思いますが,個人的にはまったく違う意味として受け取れます。

みなさんはいかがでしょうか。


さて,気になったのでネットでいろいろと調べて見ると,中学校の教科書で扱っているような知識だけでは,かなり危ういということを感じました。

中学では魚類・両生類・爬虫類は変温動物,鳥類・哺乳類は恒温動物と学習します。

しかし実際はもっと複雑なようです。

哺乳類や鳥類にも変温性のものはいるし,魚類・両生類・爬虫類にも恒温性とよべるものもいるようです。

また,Wikipedeiaによると,

『恒温が「恒に体温を一定に保つ」ことと考えるなら、そのような動物は発見されていない。「積極的な体熱産生と放散を伴って能動的にある範囲に体温を保つ」こととするならば、動物では様々な分類群に分布する(珍しくもない)生理特性である。例えばウミガメ,ネズミザメ類やマグロ類にはほぼ一定の体温を保ち、10℃近い冷水の中でも活発に活動するものがある。例としてはクロマグロで35℃,アカウミガメで23℃付近とされている。特にネズミザメ類はほ乳類や鳥類と同様、属するほぼ全種が恒温性を持つ。』

とのことです。

ウミガメやマグロなどは,問題制作等で使用しやすい動物ですので,気をつける必要がありそうです。


教科書で扱われている内容というのは,事実としては古い場合もありますし,研究によって新たな発見がされたことで事実が変わっていることもあります。

普段から意識して,気になったことはすぐに調べる習慣の必要性を改めて感じました。

2010年6月12日土曜日

コメツキムシ

本日は,仕事のきりが早くついたので,普段より早めに帰宅しました。

といっても,最寄り駅に着いたときには20時半を回っていましたので,外は真っ暗です。

自宅に到着すると,外灯に引き寄せられて飛んできたと思われるコメツキムシがいました。

コメツキムシと戯れるのが大好きな私は,部屋の中に持ち込み,飛び跳ねる様子をカメラに収められないかと,1時間以上奮闘してしまいました。

戯れたコメツキムシは,この子です。



しかし,撮れたのは,この程度の写真でした。






シャッタースピードを調整できないため,これが限界です。

かなりの枚数,おそらく100枚以上は撮ったと思います。

何とか1枚でも良いものが撮れれば…と思ったのですが,結局無理でした。

もっとよいカメラでないと駄目ですね。

それにしても,コメツキムシはどれだけ見ていても飽きません。