広く書籍の制作をしていると,いろいろと工程ごとに業界用語がある。
しかし,この業界用語は,どんな出版社や印刷会社,編集プロダクションなどでも同じかというと,意外に…というかかなり違う。
ときどき出版社の編集者に,「なんでこんなことも知らないんだ。業界標準だろ。」ということを自信満々に言う人もいるが,そんな人に限って,そこの出版社でしか通じない用語を使っていたりする。
校正記号一つとっても,とりあえず基準としてもよさそうなものにJIS規格の印刷校正記号というものがあるが,私も印刷出版業界に携わるようになり15年以上になるが,JIS規格ではない校正記号のほうが伝わるというものはときどきあった。
さて,そうはいっても最近は,原稿執筆からデータ校了あたりまでは,比較的用語の共通性も大きく,教材関係以外の編集者や印刷会社の方などと話をしていても,だいたい話は通じる場面が多い。
しかし,データ校了(といっても,データ校了がどこを指すのかが違うケースもあるのだが)以降においては,用語の統一性の無さはかなり大きい印象だ。
とりあえず,DTP上での校了(RIP処理前の校了)をデータ校了ということにして,話を進めたいと思う。
とはいっても,「印刷する会社がDTPを行っている場合」と印刷する会社以外の「DTP専門会社やプロダクションなどがDTPを行った場合」でも使用している言葉が異なるケースが多いので,これも結構厄介だ。
そのため,DTP専門会社やプロダクションから印刷会社にデータを入稿する場合は,その工程を「オフ入」といったり「データ入稿」といったりする。もちろん,それ以外の呼び方もあるのだろうが,印刷する会社がDTPを行っている場合は,単純に「入稿」といったり「RIP入稿」といったり,さらに様々だ。
(※印刷会社でも,DTPだけを行う場合もあるので,ここでは「印刷する会社」と記した)
いずれにしても,行う作業としては,InDesignなどのDTPネイティブデータ(生データといったりもする)や印刷用PDF(PDF/X-4など)などのベクターデータを,まずはRIP処理してラスターデータにラスタライズするとともに面付け作業を印刷会社が行う。これを「オフ入またはオフ入稿(「オフセット印刷のための入稿」からの短縮だと思う)」,「データ入稿」,単に「入稿」,そして「RIP入稿」などといったりするわけである。
(ベクターデータ,ラスターデータ,RIP,ラスタライズなどは,別途調べてください。)
いずれにしても,この段階では刷版はまだ出ておらず,刷版を出す前にちゃんとラスタライズされ,面付けがちゃんとできているかを確認しなければならない。
そこで,フィルム時代でいうところの「青焼き」のような出力紙でチェックしておきたい。このフィルムにおける「青焼き」にあたるものを,CTPでは何というかが,これまたかなり千差万別である。
例えば,青くないので,「白焼き」や「黒焼き」というところもあったし,インクジェットプリンタで出力するので「インクジェット」というところもあった。
しかし,レーザプリンタで出力するところもあり,そいうところでは「レーザプリント」というのかどうかは知らないが,そういうところもあるかもしれない。
さらに,印刷会社からみれば校正紙であるので,普通に「プルーフ」というところもある。
またさらには,そのプルーフを出力する装置をDDCPとよんでいる印刷会社などは,プルーフ自体を「DDCP」とよんでいたりする。
さらには,版下入稿〜フィルム時代の色校正とはだいぶ校正する観点は変わってしまい,ほとんど色校正ができないような状態なのに「色校正」というところもある。
とはいっても,しっかりとカラーマネージメントができている印刷会社がDTPからオフ了まで一貫して行っているのであれば「色校正」といってしまってもよいのかもしれないが,私の普段の仕事上では,色校正はほとんどできない。なぜなら,プルーフの色と実際の色はまったく違うから…。
しょうがないのでそんなときは,1折くらいのみ刷版を先に出してもらい,刷り出しをチェックして,プルーフとの比較でだいたいの刷り上がりを想像するしかない。
(私はこれを本機校正というが,もしここで色がおかしかったら,データ上の色を再調整しなければならないので,かなり大変なのである)
おっと,ここで「刷り出し」という用語を使ったが,「刷り取り」というところもあるし,ほかにもあるかもしれない。
さて,とりあえずDDCPから出る校正紙を「プルーフ」と呼ぶことにして,話を進める。
このプルーフのチェックをするときに最終ゲラと突き合わせをするのだが,そのゲラを何と呼ぶか。(「ゲラ」自体も,現在はゲラやゲラ刷りといってよいかどうかは正直疑問があるが,ゲラという言葉が今でも最も広く使われている印象なので,とりあえずゲラと呼んでおくことにする。)
「最終ゲラ」「(データ)校了ゲラ」「カンプ」「出力紙」「校了紙(責了紙)」…。
ほかにもあると思うが,ちょっと考えるだけでいくつもある。
私は「カンプ」とよぶので「カンプ」で話を続けるが,「プルーフ」と「カンプ」を突き合わせて,正しくRIP処理されてベクターデータがラスターデータにラスタライズされているかどうかと,面付けが正しくされているかを主にチェックする。
そして問題なければ「オフ了(オフセット校了からの短縮だと思う)」となるが,ここではじめてラスターデータとなったので「データ校了」という人もいれば,ここがすべてにおいての校了なので「校了」といったり,RIP処理の校了で「RIP校了」といったりするところもある。もちろん,ほかにもあるだろう。
そして,刷版が出力されて印刷され,製本前に「刷り出し」や「刷り取り」と言われるサンプルが届いて(印刷会社内でのチェックで終えることもあるが),印刷の品質のチェックをして,だいたい編集者の制作上の仕事は終わる。
以上,ざっくりと書いたので,正確にいえば間違っていると印刷会社の人には指摘されそうな部分もあると思うが,何となく業界標準がないということはまとめられたような気がする。
本当は,ここにCTP以前の話題も加えられたらなおよいのだが,おそらくひっちゃかめっちゃかになりそうな気がするので,今回はやめておいた。
いずれにしても,プロダクションなどの編集者で,版元によって用語が違いすぎて困っている人,または出版社の若手編集者などで,プロダクションとの意思疎通がうまくいかずこまっている人などの参考にでもなれば幸いである。
また,私の言葉不足で内容が理解できなかった人などで興味が出た方は,個々に調べてみていただければと思う。
2013年9月7日土曜日
2013年7月30日火曜日
選択肢の数と種類
選択問題の選択肢の場合の数について,先の投稿で記した。
今回は,選択肢の数と種類について,少々記しておきたい。
先の投稿でも書いたが,選択肢がやたらと多い問題を見かける。
たとえば,「下の語群から選べ」といった類のもので,その選択肢がやたらと多いものである。
ときどき耳にする「多くの選択肢の中から適切なものを選ぶのも学力だ」という声が正しいのであれば,私は学力がないのではないかと思うことすらある。
そのような問題を解いてみると,正しい答えが見つけられず,より適切な答えを選択したところ,答え合わせをしてみると間違っている。答えをもとに選択肢を見ていると,確かに答えがある。つまり,わかっているのに,なぜか選択肢の中から正しいものを見つけられないということがあるのである。
このような多くの語群選択肢から選ばせる問題のとき,必ずというわけではないが,ひっかけの選択肢がある場合がある。それが目に入り,正しい答えが目に入らないといったケースがある。
さらに,普通,たとえば「色」を選ばせたいのならば,色の選択肢が近くに並んでいればよいのだが,行をまたいで並んでいるなどして,目に入らない場合もある。
こうして,理解しているのに,間違うという現象が起こる。
ふるいにかけるという意味ではこのような方法もありなのかもしれないが,正しい学力が測れているかどうかは,いささか疑問である。
テスト工学的には,選択肢は4つか5つくらいが学力判定する上でちょうどよく,適切に学力判定できるという研究結果もあるようだ。
さて,「色」について触れたので,今度は「色」の選択肢について,例をあげて選択肢の種類について少し検討したい。
次の選択肢を見てみる。
ア 黄色 イ 赤色 ウ 赤褐色 エ 茶色 オ 橙色
少々極端な例を上げてみたが,ときどき見かける選択肢の悪例である。もちろん,入試や模試では見かけることはまずないが…。
例えば,答えはウの赤褐色であり,問題作成者の意図としては,教科書に書かれている用語を選ばなければならないという主張であったとする。
しかし,この5つの選択肢は,どれほど違いがあるのだろうか。色というのは主観が入るものでもある。見る人によっては,すべて正解になってしまう。もちろん,5つが似通った色ではなくても,5つの選択肢の中に迷う2つ,例えばここでは「赤色」と「赤褐色」が混ざっているだけで,本当は理解できている人が,ここの2つに分かれてしまうということもありえる。
つまり,このような問題の場合,明らかに違う色を選択肢としてあげておかなければならないのである。
また,色の問題で,「どのような色に変化したか」と聞いているのに,選択肢の中に「変化しなかった」というものが混ざっている場合がある。
これは設問文自体は変化したことを前提にしているような文末のに,「変化しなかった」という逆のことを述べている。これも,無闇に受験生を悩ませるので,問題文を適切なものにすべきである。
そのほか,「透明になった」という選択肢もたまに見かけるが,「透明」は色ではない。強いて言えば「無色になった」である。なお,問題内容によるので,ここでは単純例として示しただけなので,鵜呑みにしないで欲しい。
また,経験として受験生が聞いたことがない選択肢もいささか疑問だ。
中学生を例に上げれば,だいたい取り上げられる色というのは決まっている。しかし,選択肢を増やすために,いたずらに教科書等でほとんど扱われない選択肢が並べられている場合もある。そもそも,そんな選択肢を選択するのは,おそらく統計的に集計すれば,よほど理解できていない生徒か,イージーミスした生徒だけになると想像できる。学力を判定するという意味では,ほぼ無意味の選択肢となるので,そんな選択肢を入れる必要はないと思う。
というわけで,選択肢1つ取り上げても,考えることは多々ある。
今回はこのあたりにしておこうと思う。
今回は,選択肢の数と種類について,少々記しておきたい。
先の投稿でも書いたが,選択肢がやたらと多い問題を見かける。
たとえば,「下の語群から選べ」といった類のもので,その選択肢がやたらと多いものである。
ときどき耳にする「多くの選択肢の中から適切なものを選ぶのも学力だ」という声が正しいのであれば,私は学力がないのではないかと思うことすらある。
そのような問題を解いてみると,正しい答えが見つけられず,より適切な答えを選択したところ,答え合わせをしてみると間違っている。答えをもとに選択肢を見ていると,確かに答えがある。つまり,わかっているのに,なぜか選択肢の中から正しいものを見つけられないということがあるのである。
このような多くの語群選択肢から選ばせる問題のとき,必ずというわけではないが,ひっかけの選択肢がある場合がある。それが目に入り,正しい答えが目に入らないといったケースがある。
さらに,普通,たとえば「色」を選ばせたいのならば,色の選択肢が近くに並んでいればよいのだが,行をまたいで並んでいるなどして,目に入らない場合もある。
こうして,理解しているのに,間違うという現象が起こる。
ふるいにかけるという意味ではこのような方法もありなのかもしれないが,正しい学力が測れているかどうかは,いささか疑問である。
テスト工学的には,選択肢は4つか5つくらいが学力判定する上でちょうどよく,適切に学力判定できるという研究結果もあるようだ。
さて,「色」について触れたので,今度は「色」の選択肢について,例をあげて選択肢の種類について少し検討したい。
次の選択肢を見てみる。
ア 黄色 イ 赤色 ウ 赤褐色 エ 茶色 オ 橙色
少々極端な例を上げてみたが,ときどき見かける選択肢の悪例である。もちろん,入試や模試では見かけることはまずないが…。
例えば,答えはウの赤褐色であり,問題作成者の意図としては,教科書に書かれている用語を選ばなければならないという主張であったとする。
しかし,この5つの選択肢は,どれほど違いがあるのだろうか。色というのは主観が入るものでもある。見る人によっては,すべて正解になってしまう。もちろん,5つが似通った色ではなくても,5つの選択肢の中に迷う2つ,例えばここでは「赤色」と「赤褐色」が混ざっているだけで,本当は理解できている人が,ここの2つに分かれてしまうということもありえる。
つまり,このような問題の場合,明らかに違う色を選択肢としてあげておかなければならないのである。
また,色の問題で,「どのような色に変化したか」と聞いているのに,選択肢の中に「変化しなかった」というものが混ざっている場合がある。
これは設問文自体は変化したことを前提にしているような文末のに,「変化しなかった」という逆のことを述べている。これも,無闇に受験生を悩ませるので,問題文を適切なものにすべきである。
そのほか,「透明になった」という選択肢もたまに見かけるが,「透明」は色ではない。強いて言えば「無色になった」である。なお,問題内容によるので,ここでは単純例として示しただけなので,鵜呑みにしないで欲しい。
また,経験として受験生が聞いたことがない選択肢もいささか疑問だ。
中学生を例に上げれば,だいたい取り上げられる色というのは決まっている。しかし,選択肢を増やすために,いたずらに教科書等でほとんど扱われない選択肢が並べられている場合もある。そもそも,そんな選択肢を選択するのは,おそらく統計的に集計すれば,よほど理解できていない生徒か,イージーミスした生徒だけになると想像できる。学力を判定するという意味では,ほぼ無意味の選択肢となるので,そんな選択肢を入れる必要はないと思う。
というわけで,選択肢1つ取り上げても,考えることは多々ある。
今回はこのあたりにしておこうと思う。
選択肢と場合の数
先日,Twitterにて項目応答理論のことを少しツイートした。
項目応答理論とは直接は関係ないが,間接的に関係する選択肢について,少し書いておこうと思う。
センター試験はもちろん選択肢であるが,高校入試においても選択問題というのは多く存在する。
特に,受験者数の多い東京や神奈川,愛知などは,採点効率を上げるためなのか,選択問題が多いのも特徴である。
このような選択肢を多様した入試は,「いかに選択問題によって学力の違いを正確に測れるか」ということももちろん考えられているが,それ以上に,「いかに学力がないものが偶然によって正解してしまう確率を減らせるか」ということも考慮しているのではないかと想像する。
そんなことを想像しながら,問題をつくる立場として,どのような選択肢がよいかということを,今回は「場合の数」をもとに考えたいと思う。
具体的な例として,文章穴埋め問題を取り上げてみる。
例えば,文章中に2つの空欄( X )と( Y )があり,それぞれが「A」または「B」のどちらから選択しなければならないとする。
このとき,それぞれAかBのどちらかなので,場合の数としては,2×2=4 で,4通りの選択肢ができる。
具体的に示すと,
ア X:A Y:A
イ X:A Y:B
ウ X:B Y:A
エ X:B Y:B
となる。
これが,3つの空欄( X )( Y )( Z )とると,2×2×2=8 で,8通りの選択肢ができる。
具体的に示すと,
ア X:A Y:A Z:A
イ X:A Y:A Z:B
ウ X:A Y:B Z:A
エ X:A Y:B Z:B
オ X:B Y:A Z:A
カ X:B Y:A Z:B
キ X:B Y:B Z:A
ク X:B Y:B Z:B
となる。
項目応答理論とは直接は関係ないが,間接的に関係する選択肢について,少し書いておこうと思う。
センター試験はもちろん選択肢であるが,高校入試においても選択問題というのは多く存在する。
特に,受験者数の多い東京や神奈川,愛知などは,採点効率を上げるためなのか,選択問題が多いのも特徴である。
このような選択肢を多様した入試は,「いかに選択問題によって学力の違いを正確に測れるか」ということももちろん考えられているが,それ以上に,「いかに学力がないものが偶然によって正解してしまう確率を減らせるか」ということも考慮しているのではないかと想像する。
そんなことを想像しながら,問題をつくる立場として,どのような選択肢がよいかということを,今回は「場合の数」をもとに考えたいと思う。
具体的な例として,文章穴埋め問題を取り上げてみる。
例えば,文章中に2つの空欄( X )と( Y )があり,それぞれが「A」または「B」のどちらから選択しなければならないとする。
このとき,それぞれAかBのどちらかなので,場合の数としては,2×2=4 で,4通りの選択肢ができる。
具体的に示すと,
ア X:A Y:A
イ X:A Y:B
ウ X:B Y:A
エ X:B Y:B
となる。
これが,3つの空欄( X )( Y )( Z )とると,2×2×2=8 で,8通りの選択肢ができる。
具体的に示すと,
ア X:A Y:A Z:A
イ X:A Y:A Z:B
ウ X:A Y:B Z:A
エ X:A Y:B Z:B
オ X:B Y:A Z:A
カ X:B Y:A Z:B
キ X:B Y:B Z:A
ク X:B Y:B Z:B
となる。
これは選択肢の組み合わせであるが,組み合わせではなく,それぞれ2択の問題として答えさせる入試ももちろんある。
しかし,この選択肢の並びは今年の愛知県の入試で出題されたもので,実際に組み合わせで出題されることもある。
ここで注目すべきは,アのA・A・Aから始まり,クのB・B・Bで,AとBの並び方にルールがあることである。
並び方に必然性があることで,問題解答者にの学力とは関係のないところでの,変な勘違いやイージーミスを減らすことができる。
ときどき,この選択肢の並べ方がバラバラなものがあり,「バラバラな中から選ぶのも学力の一つだ」という声も聞こえるが,果たしてそれは学力なのかと疑問に思うこともある。
純粋に理解できているかどうかだけを問うのであれば,並べ方に必然性があったほうがよいと私は考える。
また,入試によっては,場合の数としては8通りであっても,4択しか示せない場合もある。
今年の神奈川入試では,3つの空欄に対して,増加・減少のどちらかが入るというパターンの選択問題があった。
ここでは,問題の内容は考えず,とりあえず選択肢の並びだけに注目してみる。
実際の選択肢は,
ア X:減少 Y:減少 Z:増加
イ X:減少 Y:増加 Z:減少
ウ X:増加 Y:減少 Z:増加
エ X:増加 Y:増加 Z:減少
である。
ここには,
オ X:減少 Y:減少 Z:減少
カ X:減少 Y:増加 Z:増加
キ X:増加 Y:減少 Z:減少
ク X:増加 Y:増加 Z:増加
の4つの場合の数が消去されている。
実はこの問題は,生態ピラミッドに関する問題の選択肢であるのだが,生態ピラミッドの問題において,そもそも上記のオやクというのは,解答としてはほぼありえない。
選択肢が増えることで見間違いによるイージーミスを誘うくらいであれば,選択肢は少ない方が,より学力を正確に判定できると思う。
また,ここではアが正解だとすると,選択肢の定石として,その逆を置いておくということもある。ここではエがそれにあたるが,まったく反対の理解をしていないかということを確認することもできる。
では,イとウについての必然性であるが,まずこの2つは逆の関係にあり,上記の定石としての組み合わせとしてはよい。
では,同じくカとキの逆の関係との違いはどこかというと,残念ながら私にはイとウの組み合わせを選んだ出題者の意図は読み取れなかった。
実際の問題を見てみると,私ならばカとキの組み合わせでもよいのではないかと思う。
なぜなら,この問題であれば,XとZに逆の言葉が入るような印象を受けるからである。
このあたりの判断は,神奈川の実入試を見て,個々に判断してもらいたい。
というわけで,内容に深く踏み込まずとも,選択問題の選択肢についても,いろいろと工夫は凝らされていることは理解できる。
判定テストを制作する人たちは「こんなの当たり前だよ」と思うかもしれないが,意外と世の中に出回っているテストにも,このようなことが全く考慮されていないものは多数あり,イージーミスなどによって,実際は理解できているのに,実力以下の評価を受けている子どもたちがいないとはいいきれない。
作問する立場として,子どもたちに正しい評価が出る作問をしたいものだ。
2013年7月25日木曜日
平成26年度 公立高校入試予想(天体)
さて,久し振りの投稿です。
最近は,Twitterでツイートするのがメインになり,ブログを更新しなくなってしまいましたが,長文で1つの内容を書くには,たまにはブログもいいかな…といったところで,ちょっと書いてみました。
というわけで,入試についてです。
平成24年を振り返ってみると,大きく話題となった天体イベントとして,日本では次のようなものがありました。
・金環日食(5月21日)
・金星の太陽面通過(6月6日)
このような大きく話題となった天体のイベントは,平成21年の皆既日食を例にみるように,公立高校入試の理科で大きく出題される可能性があります。
そこで,この2つについては問題に絡んでくる可能性があると,昨年私は予想しました。
結果を見てみると,
・金環日食…山形,埼玉,愛知,熊本
・金星の太陽面通過…山形,埼玉,愛知,熊本
と,それぞれ同じ4県が出題していましたが,平成22年度入試,つまり平成21年度の皆既日食を踏まえた入試ほどの出題率ではありませんでした。(ほかにあったらすみません。)
ちなみに,平成22年度入試で皆既日食に触れた都道府県は,千葉,埼玉,山梨,富山,静岡,三重,和歌山,兵庫,鳥取,香川,宮崎,熊本となります。(こちらも,ほかにあったらすみません。)
なお,この年は移行措置後初の入試ということもあり,移行措置が入試で扱われるかどうかが話題になった年でもありました。結果,日食に触れる,触れないにかかわらず,「月の運動と見え方」について出題された都道府県は,実に半数近くにものぼりました。
しかし,平成25年度入試は,移行措置も一段落したため,出題傾向はいったんリセットされたようにも思えます。
とはいっても,天体イベントを絡めた出題は,作問する立場からすると出題しやすく,平成26年度も,平成25年の天体イベントを踏まえて出題される都道府県がないともいいきれません。
では,平成25年の天体イベントとして,入試に絡んできそうなものはあるでしょうか。調べてみたところ,次の3つがありました。
・パンスターズ彗星の接近(3月)
・部分月食(4月26日,西日本のみ)
・アイソン彗星の接近(11月)
パンスターズ彗星とアイソン彗星から,「彗星」を答えさせる問題が出るかもしれませんし,西日本の府県では,部分月食を扱うかもしれません。
しかし,部分月食も過去の月食と比べるとイベントとしては盛り上がりに欠けたので,話題として絡められるとしたら,平成23年の月食になりそうな気もします。
過去に起こった天体イベントが話題として入試で用いられることはよくあることなので,平成21年の皆既日食~平成24年の金環日食・金星の太陽面通過まで,天体イベントを押さえておくことは入試対策としてはよいことだと思います。
しかし,こうなると平成25年の天体イベントが入試に絡められる可能性が弱いようにも思えますが,過去の全国の入試を見ると,その年に起こる事象,つまり来年平成26年度入試でいえば,平成26年に起こる天体イベントが絡められる可能性もあります。
平成24年度でいえば,岡山と愛媛の入試で,その年に起こる金環日食(愛媛では金星の太陽面通過も)が扱われました。(ほかにもあるかもしれませんが,とりあえず…。)
これを踏まえて,平成26年に起こる天体イベントを調べてみると,10月8日に皆既月食が見られるようですので,月食のほうが,日食よりも出題する可能性が若干高くなるかもしれません。
そのほか,平成26年の天体イベントの一つとして注目なのが,「はやぶさ2」の打ち上げではないでしょうか。
平成22年に探査機はやぶさが小惑星イトカワから帰還したときは,かなり大きな話題となりました。それを踏まえた平成23年度入試では,「小惑星」を答えさせる問題が秋田で出題され,翌平成24年度には,島根で同じく出題されました。
平成22年に探査機はやぶさが小惑星イトカワから帰還したときは,かなり大きな話題となりました。それを踏まえた平成23年度入試では,「小惑星」を答えさせる問題が秋田で出題され,翌平成24年度には,島根で同じく出題されました。
現在,平成26年12月に打ち上げ予定とされている「はやぶさ2」を,実際に予定通り打ち上げられるかどうか分からない状況で入試問題に絡めるのは難しいかもしれませんが,「小惑星」の用語を押さえておくこと自体は,損にはならないと思います。
さてさて,あたるかどうかは何とも言えませんが,こうやって予想するのも,面白いものです。
2012年4月16日月曜日
新教科書情報
4月から中学校では新しい教科書が使用されているわけですが,先生方の疑問に応える形で,教科書会社がホームページ上でQ&Aなどを公開していますね。
啓林館では,「未来へひろがるサイエンスQ&A」が公開されています。
http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/j-scie/q_a/index.html
文部科学省からの検定意見によるという表現も多いですが,参考になる内容も多々あります。
また,東京書籍には「教室の窓」というページが公開されており,こちらも脂肪の分解や新生代の件など,参考になります。
http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/downloadfr1/htm/jrd86710.htm
啓林館では,「未来へひろがるサイエンスQ&A」が公開されています。
http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/j-scie/q_a/index.html
文部科学省からの検定意見によるという表現も多いですが,参考になる内容も多々あります。
また,東京書籍には「教室の窓」というページが公開されており,こちらも脂肪の分解や新生代の件など,参考になります。
http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/downloadfr1/htm/jrd86710.htm
PDFのオーバープリントシミュレート
昨今,というかだいぶ前からですが,出力紙を使用せずにPDFでDTP関連会社さんとやり取りをするような機会が増えています。
昨年の改訂作業の中では,8割程度が校正用PDFでのやり取りでした。
そうなると,編集部内のプリンタからPDFを紙に出力するのですが,その際に注意が必要でした。
制作している教材には教師用の別版があり,グラフなどへの作図の場合,その解答となる教師用版がオーバープリントになっている必要があります。
かつて,InDesignなどのDTPデータから出力紙をプリントアウトしてもってきてくださっていたときは,紙面上でオーバープリントになっているかどうかの確認ができました。
しかし,校正用PDFでのやり取りだと,オーバープリントの確認ができないという声がときどき聞こえます。
しかし,Adobe Readerでは環境設定を変更すれば,オーバープリントのシミュレートができますので,オーバープリントシミュレートの設定をしたうえでプリントアウトすれば,無事解決できます。
ところで,Adobe Readerをオーバープリントの設定をしたときに気をつけたいことが1つあります。
ベタやアミの上に白を乗せたときに,その白がオーバープリント設定になっていると,その白が見えなくなるということがありました。
同じ版であればオーバープリントせずにRIP化されるのかもしれませんが,校正段階では不安になる要素ではあるので,気づいたらオーバープリントになっていないかどうか確認したほうがよいかと思います。
昨年の改訂作業の中では,8割程度が校正用PDFでのやり取りでした。
そうなると,編集部内のプリンタからPDFを紙に出力するのですが,その際に注意が必要でした。
制作している教材には教師用の別版があり,グラフなどへの作図の場合,その解答となる教師用版がオーバープリントになっている必要があります。
かつて,InDesignなどのDTPデータから出力紙をプリントアウトしてもってきてくださっていたときは,紙面上でオーバープリントになっているかどうかの確認ができました。
しかし,校正用PDFでのやり取りだと,オーバープリントの確認ができないという声がときどき聞こえます。
しかし,Adobe Readerでは環境設定を変更すれば,オーバープリントのシミュレートができますので,オーバープリントシミュレートの設定をしたうえでプリントアウトすれば,無事解決できます。
ところで,Adobe Readerをオーバープリントの設定をしたときに気をつけたいことが1つあります。
ベタやアミの上に白を乗せたときに,その白がオーバープリント設定になっていると,その白が見えなくなるということがありました。
同じ版であればオーバープリントせずにRIP化されるのかもしれませんが,校正段階では不安になる要素ではあるので,気づいたらオーバープリントになっていないかどうか確認したほうがよいかと思います。
difff デュフフ
日本語対応で簡単に差分が確認できるテキスト比較ツール「difff(デュフフ)」というものが,GIGAZINで紹介されていました。
http://gigazine.net/news/20120416-difff/
PDF上で差分をチェックできるソフトは,pageで紹介されていたり,独自で開発して業務で使用されていたりと,DTP関連会社さんでときどき耳にするようになりました。
しかし,編集部という半ばアナログの世界では,相変わらずアナログ的な作業も多い状況です。
そんなとき,この「difff」http://altair.dbcls.jp/difff/が役に立つかもしれません。
最近は出力紙を出してもらわずに,PDFで初校~校了まで済ませてしまう場合があります。
そんなときは,PDFからテキストデータだけを取り出して,difffにコピペすれば,多少は校正漏れが減るかもしれません。
とはいっても,複雑なレイアウトのDTPからテキストデータを何十ページ,何百ページと取り出すのは大変です。
使用する場面とすれば,オペレーターさんが戻し校に修正したというチェックが入っているものの,修正が反映されていない場合などではないでしょうか。
得てして,そのような場合は,修正指示をしていない場所,つまり修正する必要のない場所を間違って修正してしまっている場合があります。
そのような元々ミスではなかった場所が修正されていて,冷や汗を流した記憶のある方は,使用されてみてはいかがでしょうか。
http://gigazine.net/news/20120416-difff/
PDF上で差分をチェックできるソフトは,pageで紹介されていたり,独自で開発して業務で使用されていたりと,DTP関連会社さんでときどき耳にするようになりました。
しかし,編集部という半ばアナログの世界では,相変わらずアナログ的な作業も多い状況です。
そんなとき,この「difff」http://altair.dbcls.jp/difff/が役に立つかもしれません。
最近は出力紙を出してもらわずに,PDFで初校~校了まで済ませてしまう場合があります。
そんなときは,PDFからテキストデータだけを取り出して,difffにコピペすれば,多少は校正漏れが減るかもしれません。
とはいっても,複雑なレイアウトのDTPからテキストデータを何十ページ,何百ページと取り出すのは大変です。
使用する場面とすれば,オペレーターさんが戻し校に修正したというチェックが入っているものの,修正が反映されていない場合などではないでしょうか。
得てして,そのような場合は,修正指示をしていない場所,つまり修正する必要のない場所を間違って修正してしまっている場合があります。
そのような元々ミスではなかった場所が修正されていて,冷や汗を流した記憶のある方は,使用されてみてはいかがでしょうか。
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