2012年4月16日月曜日

新教科書情報

4月から中学校では新しい教科書が使用されているわけですが,先生方の疑問に応える形で,教科書会社がホームページ上でQ&Aなどを公開していますね。

啓林館では,「未来へひろがるサイエンスQ&A」が公開されています。
http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/j-scie/q_a/index.html

文部科学省からの検定意見によるという表現も多いですが,参考になる内容も多々あります。

また,東京書籍には「教室の窓」というページが公開されており,こちらも脂肪の分解や新生代の件など,参考になります。
http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/downloadfr1/htm/jrd86710.htm

PDFのオーバープリントシミュレート

昨今,というかだいぶ前からですが,出力紙を使用せずにPDFでDTP関連会社さんとやり取りをするような機会が増えています。

昨年の改訂作業の中では,8割程度が校正用PDFでのやり取りでした。

そうなると,編集部内のプリンタからPDFを紙に出力するのですが,その際に注意が必要でした。

制作している教材には教師用の別版があり,グラフなどへの作図の場合,その解答となる教師用版がオーバープリントになっている必要があります。

かつて,InDesignなどのDTPデータから出力紙をプリントアウトしてもってきてくださっていたときは,紙面上でオーバープリントになっているかどうかの確認ができました。

しかし,校正用PDFでのやり取りだと,オーバープリントの確認ができないという声がときどき聞こえます。

しかし,Adobe Readerでは環境設定を変更すれば,オーバープリントのシミュレートができますので,オーバープリントシミュレートの設定をしたうえでプリントアウトすれば,無事解決できます。


ところで,Adobe Readerをオーバープリントの設定をしたときに気をつけたいことが1つあります。
ベタやアミの上に白を乗せたときに,その白がオーバープリント設定になっていると,その白が見えなくなるということがありました。
同じ版であればオーバープリントせずにRIP化されるのかもしれませんが,校正段階では不安になる要素ではあるので,気づいたらオーバープリントになっていないかどうか確認したほうがよいかと思います。

difff デュフフ

日本語対応で簡単に差分が確認できるテキスト比較ツール「difff(デュフフ)」というものが,GIGAZINで紹介されていました。
http://gigazine.net/news/20120416-difff/

PDF上で差分をチェックできるソフトは,pageで紹介されていたり,独自で開発して業務で使用されていたりと,DTP関連会社さんでときどき耳にするようになりました。

しかし,編集部という半ばアナログの世界では,相変わらずアナログ的な作業も多い状況です。

そんなとき,この「difff」http://altair.dbcls.jp/difff/が役に立つかもしれません。

最近は出力紙を出してもらわずに,PDFで初校~校了まで済ませてしまう場合があります。

そんなときは,PDFからテキストデータだけを取り出して,difffにコピペすれば,多少は校正漏れが減るかもしれません。

とはいっても,複雑なレイアウトのDTPからテキストデータを何十ページ,何百ページと取り出すのは大変です。

使用する場面とすれば,オペレーターさんが戻し校に修正したというチェックが入っているものの,修正が反映されていない場合などではないでしょうか。

得てして,そのような場合は,修正指示をしていない場所,つまり修正する必要のない場所を間違って修正してしまっている場合があります。

そのような元々ミスではなかった場所が修正されていて,冷や汗を流した記憶のある方は,使用されてみてはいかがでしょうか。