2012年2月26日日曜日

分解者

新しい教科書では,分解者の定義が変わりました。

旧教科書までは,食物連鎖における消費者と分解者は別々のものという扱いで,分解者とは菌類や細菌類などの微生物を分解者と呼んでいました。

しかし,新教科書では,枯死したものを消費するミミズなどの小動物と,菌類や細菌類などの微生物をまとめて分解者という扱いとなり,分解者は消費者の一部という考えになりました。

そもそも消費者は,生産者がつくった有機物を取り込み,無機物に分解しているので,いままでの消費者と分解者が別々という定義は,少々微妙だったのかもしれません。

しかし,中学生レベルで考えれば,そのほうがわかりやすく,よかったとも思えます。

いずれにしても,中学生レベルにおける認知としてのグレーゾーンが,いろいろと科学的により適切な方向に修正されたものの一つではないかと思っています。

2012年2月25日土曜日

デンプンが分解されて

今日は我が子が,昼寝をほとんどせず,そして夕飯後にも眠くならず,23時の少し前に寝付いてくれました。

23時前に寝付いてくれると,自分の時間を作ることができて,大変嬉しいです。

最近切に,FUNKY MONKEY BABYSの「ヒーロー」という歌が心に響くのですが,特に響く部分は「身体に鞭打って家族サービス また迎える月曜日」という部分です。

1週間のうち,月曜の朝が一番疲れている気がする今日この頃,子育ては本当に大変ですね。

まあ,それ以上に嬉しく楽しいことが多いのが子育てでもありますし,いろいろと考えさせられることも多く勉強にもなります。



さて,新しい教科書では,デンプンが分解されたものを「糖」とは表記されなくなりました。

以前の教科書では,だ液の実験などで,「デンプンが分解されて糖ができる」と表現されていました。

そして,ベネジクト液の反応において,加熱して赤褐色の沈殿ができると,「糖ができていることがわかる」という表現になりました。


しかし,そもそもデンプンは多糖類という分子構造の大きい糖であり,分解されてできたものが,二糖類の麦芽糖や単糖類のブドウ糖などの,分子構造の小さい糖です。

つまり,分解されて糖になるという表現は,言い換えれば「糖が糖になる」という,訳の分からない表現だったので,より正確な表現になったということでしょうか。

もし,新しい教科書ベースで中学生に伝えるのであれば「大きな糖が分解されて小さい糖になった」というと,少しわかりやすいかもしれません。

いずれにしても,麦芽糖が載っている教科書もあれば,「ブドウ糖が2つや3つつながったもの」であったり,「ブドウ糖がいくつかつながったもの」であったりと,教科書によって表記が異なるので,どのような表現にすべきかは,ケースバイケースで使い分ける必要がありそうです。

2012年2月19日日曜日

グリセリンとモノグリセリド

子供が小さいと,なかなか自分だけの時間をつくるのが難しいですね。

ひたすら息子と遊び,抱っこをし,ご飯を食べさせ,お風呂に入れ,寝かしつける……というように相手をしていると,毎日自宅にいる時間は,あっという間に過ぎてしまいます。

昨年の改訂期も大変でしたが,子供の相手のほうが大変だと,改めて実感しています。


さて,新しい教科書の中で大きな変化のあったものの一つといえば,2年の生物分野で,脂肪が分解されてできるものが,今までは「脂肪酸とグリセリン」であったものが,「脂肪酸とモノグリセリド」に変わったことでしょうか。

もちろん,脂肪が3つの脂肪酸と1つのグリセリンからできていること,つまりトリグリセリドであること自体は,構造の話なので変わっていません。

そして,リパーゼが脂肪を3つの脂肪酸と1つのグリセリンに分解できるという事実も,おそらく変わっていないと思います。

教科書だけからは詳細がわかりませんが,いろいろと調べてみると,リパーゼが体内で脂肪を分解していくと,モノグリセリド(1つのグリセリンと1つの脂肪酸が結合した状態)になったところで,胆汁酸のはたらきでミセル化され,体内に吸収されるようです。

もちろん,ミセル化される前にグリセリンにまで分解されれば水に溶けて体内に吸収されるようですが,グリセリンにまで分解されるより速くモノグリセリドの状態でミセル化が進み,体内に吸収されるのだと思われます。

指導書を見ていないので正しいかどうかは分かりませんが,現段階での私の中での認識です。

間違っていたらすみません。

2012年2月7日火曜日

手書き数式認識サイト

少し前に,手書き数式を認識するサイトがあることを,GIGAZINで知りました。
GIGAZIN:http://gigazine.net/news/20120203-latex-mathml-web-equation/

そのサイトが,以下になります。
http://webdemo.visionobjects.com/equation.html

マウスで書くのは多少骨が折れますが,ペンタブレットを用いれば,気持よく数式を表現することができます。

また,iPadでも試してみましたが,こちらもなかなか快適でした。

とはいっても,Wordで原稿を書くことが多い中学教材制作において,LaTeXで出力できても扱えない場合が多いので,宝の持ち腐れかもしれません。

高等数学以上になると,LaTeXで原稿を書かれる先生も多く,LaTeXからDTPへコンバートという話もときどき聞きます。

しかしながら,電子化により自由に教材を開発できるようになった昨今であれば,最終的な用途に合わせてどのようなプラットフォームで作成していくのがよいかということを考えたとき,意外と使える場面が多々出てくるかもしれません。

時間があれば,ちょっと試してみたいと思います。