理科の編集をしていると,説が変わることにより,内容を更新しなければならない場面がよくあります。
科学の研究は日進月歩なので,常に新しい研究発表に目を光らせていなければなりません。
とはいえ,すべの情報を知るのは難しいのも現状です。
学校で使用される教科書は,だいたい4年周期で改訂されるので,そのタイミングで新しい説に更新されるケースが多く,教材編集に携わってている人は,そこで変化を知る人も多いと思います。
しかし,教材編集に携わっている人に限らず,学校や塾の先生でも,気付かずに過ごしている人も多いのが現状のようです。
その一つに,両生類から哺乳類への進化があります。
先日,生命大躍進展に行ってきたので,ふとそのことを思い出しました。
DNA鑑定ができるようになり,進化の研究はさらにスピードが増したようで,少し知識の収集をサボっていると,あっというまに説が変わったり,複数の説が出たりということがあります。
かつて哺乳類は,爬虫類から鳥類と哺乳類が分岐する形で進化したと,ざっくりと覚えた人も多いと思います。
しかし,今の説は違います。
ざっくりいうと,爬虫類も哺乳類も,両生類から進化したというのが,最新の説です。
もう少し詳細にいうと,両生類から初期の単弓類と爬虫類系に分かれ,その単弓類から哺乳類が進化したようなのです。
さらに爬虫類は,絶滅したものを除くと,ざっくりとヘビ・トカゲ類系とカメ・ワニ類系に分かれます。
しかし,中途半端に私がここで書くよりは,興味のある方は調べてみてください。
とりあえず,現行版の教科書では,発展として進化の系統樹が載っているものもありますが,両生類が爬虫類・哺乳類へと進化したような図になっていると思います。
教科書にはそんな詳細は書かれていないのですが,知らないと間違った知識を教材に反映してしまったり,子どもたちに教えてしまったりします。
そういえば,植物細胞と動物細胞の共通する細胞小器官として,核・細胞膜のほかに,細胞質をいまだに入れているものも見かけます。
知識をしっかり更新していかないと,子どもたちに迷惑をかけるので,変化にはしっかりと対応していかなければなりません。