印刷物を制作する上では,当たり前であるが「折り」を考える必要がある。
このことは,一般書籍とか学習教材とかのジャンルによって異なることはなく,版を用いて印刷するであれば,どんな印刷物でも同じだと思う。
さて,文芸書にしろ教材にしろ雑誌にしろ,折りを意識しなければならないのであれば,台割を検討しなければならない。
見開き構成を意識したり,折りや綴じ方によって刷り色を検討したりするのは,この台割での作業になる。
つまり,1冊の本の設計図とも言えるものが台割である。
先の投稿のオフ入の話題になるが,印刷会社によっては,カンプとともに台割も合わせて用意して欲しいというところも多々ある。
さて,15年の経験の中で,いまの会社は5年目であるが,入社して驚いたのが,台割という用語を使用していないことである。
それまでの11年でお付き合いしていた会社のほとんどが台割という表現を用いていたものを,今の会社ではプロットと呼んでる。
プロットというと,私の中では台割の前の工程である。
ざっくりと1冊の本の構成を考えて,何章立てにしようかとか,単元数はいくつにするとか,コラムを入れようかとか,内容をどうしようかとか,物語であればどんな話の展開にしようかとか,そんな1冊の本の概要を,台割に落としこむ前のたたき台となったり,物語(原稿)を書き始める前に構成をまとめたりしたものが,プロットのイメージである。
そして,そのプロットをもとに台割に落とし込んだのち,固定費や変動費なども含めて試算し,採算ライン等を検討した上で,最終の台割が完成する。
とはいっても,教材とはちがい,文芸書や単行本の類などは,プロットで概要を固めたのち,著者から上がった原稿の分量によって最終的な台割が確定することも多いかもしれない。
いずれにしても,いろいろな印刷物があることを考えると,プロットと台割は使い分けたほうがよさそうな気がするが,いまの私の仕事上では,台割のことをすべてプロットと呼んでいる。ややこしい上に,協力いただいている会社やフリーの方には,皆さんが使い慣れない用語で話を進めなければならないので,ある意味申し訳ない…。まあ,私一人で打ち合わせをする場合は,台割と呼んでいるので問題ないかもしれないが…。