2009年12月28日月曜日

知識は中学以上に必要

本日は仕事納めでした。

1年間あっという間でしたが,特に12月はやることが多く,あっという間に過ぎ去ってしまったような気がします。

仕事にプライベートにあっちこっちと飛び回り,企画会議の資料作りや発表のリハーサル,そしていろいろな人と忘年会で飲む。

そんなこんなでなかなか時間が取れず,やっと昨日から年賀状の作成に取り掛かることができました。

地元へも帰らなければならないので,明日中には何とか年賀状の作成を終えようかと思っております。


さて,そんな忙しい日常の中,理科教材制作上で気になることも,やはり出てきております。

今は,中学校の仕事がメインですが,中学校の仕事といえど,知識は中学校内容以上に持ち合わせていなければなりません。

つまり,中学校の仕事であれば,最低でも高校レベルの知識を持って原稿作成や校正をするべきでしょう。

しかしながら,不思議なことに,中学校の仕事をしていると,中学校レベルの知識で校正をしてしまっているということに気づきました。

高校の仕事をしているときは当たり前のように気づく間違いも,中学校の仕事では意外と気づかないのです。不思議です。

例えば,「反射」の話を例にあげます。

高校では,まばたき反射は中脳を,唾液の分泌は延髄をそれぞれ反射中枢とすることを習います。

しかし中学では,脊髄反射しか習いません。

つまり,中学では,目などの顔に近い部位を反射の例として載せることはなく,熱いものに指が触れたときなどの例のみを示します。

そんなことは分かっているのに,中学の教材やテストではそこまでの内容に触れないので,反射を示す模式図の感覚器官などで目や耳などが例として載っていても,意外と気づかないのです。

校正をするときは,すべてに疑いを持って見るべきです。

しかしその際には,その校正している内容以上の知識を持って校正を行うようにしていくべきでしょう。

特に教材では,それを使用する生徒自身に,正誤の判断基準がない可能性が多々ありますので,より繊細な注意が必要だと思います。

2009年12月21日月曜日

firestrage

先週も,怒涛のように時間ばかりが過ぎていきました。

長い会議に日帰り出張,飲み会に使用での遠出。それらの影響で実務をやる時間が取れず,日曜日も仕事で潰れる…。

仕事納めまで,まだまだ怒涛の忙しさが続きます。


さて,そんな更新が滞りがちな毎日ですが,今日は制作に関する話題として,ファイル転送サービスについて記します。


最近は大容量ファイルが送受信できるメールサーバも増えましたし,フリーメールとして有名なGmailでは,1回に20MBもの容量のデータを送信することができます。

しかし,そんな大容量データをやり取りする時代になっても,企業では容量制限をしているところが多々あります。

そんな私の勤めている会社でも,1回のメール送受信容量は最大5MBという制限がかけられており,PDFデータを大量にやり取りする昨今では,仕事に大きな支障をきたしております。

そんなときに便利なのが,ファイル転送サービスと呼ばれるものです。

ファイルをサーバにアップしておき,そのサーバのアドレス等を送信先に連絡して,送信先の人がサーバからダウンロードするという方式です。

これならば,メールはテキストデータだけになりますので,容量が大きくなることはありません。

無料で提供されているサービスも多く,宅ふぁいる便などが有名でしょう。

しかし,宅ふぁいる便の送信できる容量は,通常会員で50MB,プレミアム会員で100MBまでです。

仕事で50MBを超えるデータを送信することはめったにありませんが,ないとも限りません。

そこで,インターネットで「ファイル転送サービス」などで検索してみると,100MBを超えるものもあることがわかります。

特に,1回に2GBもの大容量のファイルを送信できるサービスもあり,驚きます。

そんなサービスの中で私が重宝して使用しているのが,firestrage(http://firestorage.jp/)です。

使い勝手がよく,ダウンロードする際の手間も,メールに貼り付けたURLをクリックするだけと簡単です。

データ容量が大きすぎてメールに添付できず,データをばらして送信したり,CD-Rなどに保存して宅配便で送ったりという話を今でも聞きます。

しかし,現在のブロードバンド環境は,少し探せばいろいろな手段があります。

ちょこっと探す手間をかければ,その先の制作期間がぐっと短くもなります。

そのようなわけで,試しにfirestrageでも使用してみてはいかがでしょうか。

2009年12月13日日曜日

Google日本語入力

Googleが日本語入力システムのbeta版,「Google日本語入力」を発表しました。
フリーの日本語入力システムですが,Googleが作ったものなので期待が持てます。
インターネット上でも絶賛の嵐です。
というわけで,会社のPCにインストールしてみて,実際の業務で使用してみました。
使った印象は,「素晴らしい!」の一言です。
Googleの検索などで蓄積された語彙が変換候補に含まれているため,IMEでは辞書登録しなければ変換されなかった用語なども,変換候補にあがってきます。
100%ではありませんが,この選択候補が豊富なことが,仕事ではかなり有利にはたらくことを実感しました。
IMEでは,長めの用語などを入力している際に,間違えて入力してしまったり,間違えて変換してしまったりして,そのまま入稿ということがこれまでときどきありました。
しかし,数文字入力した段階で,その用語が選択候補に出てくるので,それを選択すれば誤入力の心配がなくなります。
これは本当に助かります。
誤字・脱字のミスは,この「Google日本語入力」によって減る確率が上がる気がしてきました。
お勧めです!!

2009年12月10日木曜日

漢字の閉じ開き

2009年も,あと1か月を切りました。

忘年会の季節です。

これから呑む機会が山ほどあり,残業ができない日々が増えます。

そのため,忘年会のない日に仕事を固め打ちしなければならず,なかなか大変です。

というわけで,明日は忘年会。

来週は2度,再来週は今のところ1回ですが,クリスマスもあるのでどうなることやら…。

ブログの更新が最近滞りがちですが,さらに滞りがちになりそうです。

がんばらなければ…。


さて,今日は,漢字の閉じ開きについて少しだけ。


媒体によって漢字の閉じ開きをどうするかという基準は様々で,学参にも独特のルールがあります。

基本的には出版社ごとにある程度基準があるので,それにのっとって制作していると思われます。

しかし学参には,教科書準拠というものがあり,教科書準拠の場合は,各教科書会社にあわせて漢字の閉じ開きを統一します。

さて,そうはいっても,ある程度の基準はあるでしょう。

中学生教材なら,とりあえずは常用漢字以外はひらがな,またはカタカナにすることです。

しかし,用語については微妙です。

たとえば,哺乳類の場合「哺」は常用外なので,上記のルールにのっとると「ほ乳類」と表記することとなります。

しかし中学生教材では,「ホニュウ類」と表記されているのを多くみかけます。

同様に「爬虫類」も,「は虫類」ではなく「ハチュウ類」が圧倒的に多くみられます。

これはやはり,各前者(ほ乳類・は虫類)よりも各後者(ホニュウ類・ハチュウ類)のほうが,生徒にとって読みやすいなどの理由からでしょう。

しかし個人的には,「哺乳類」「爬虫類」とし,ルビを振らせたいと思っています。

小学生ならともかく,中学生であれば,常用外であろうと,それなりの漢字を読ませてもよいのではないかと思っております。

将来的にどうせ読むことになるのであれば,学参であろうとなかろうと,専門用語については最初から漢字表記に振れさせたほうがよいのではないかと,私は考えます。


さて,このような用語が常用漢字かどうかではなく,意味的な観点であえて開いているという漢字もあります。

「体」「働く」「持つ」などです。

「体」は人偏なので,ヒトのからだが想像されます。
そのため,ヒト以外は「からだ」と開いているものを多くみかけます。

「働く」も人偏なので,同じくヒトが想像されます。
そのため,ヒト以外の働きについては「はたらく」と開いているものを多くみかけます。

「持つ」は手偏なので,ヒトの手での動作が想像されます。
そこで,「機能を持っている」などのヒト意外の動作における「持つ」の場合,開いて「もつ」になっているものが多くみられます。


これらの考え方が本当なのかどうなのか微妙ですが,教育的観点から考えて,それが本当によいのかどうか,正直なところ疑問です。

しかし,郷に入っては郷に従えではないですが,とりあえず学参における多数派ルールにあわせているのが現状です。



このような学参における漢字の閉じ開きには様々ありますので,ここではすべて挙げ切れません。

しかしながら,リストにするしないは別としても,学参の中では一般に開くものについて,頭に入れておく必要はあるでしょう。


そのためにも,まずは教科書を調べてみる。そして,体に染み込むまで校正を繰り返したり,校正をしながらリストを作ったりするのが近道でしょう。

2009年12月6日日曜日

プリントアウトして確認

現在は,原稿のほとんどがMS WordなどのPCデータで上がってきます。

理科教材の場合は図版も多いので,プリントアウトしたものに図版が貼られて原稿が上がってくることもありますが,図版もWord上に貼り付けられて原稿が上がってくることも多々あります。

そんなとき,原稿チェックや修正をPC上で行ってしまうことも多々あるでしょう。

しかし,パソコンの画面でチェックするのは,プリントアウトして紙面上でチェックするのに比べて,誤字脱字などのミスを見逃す確率が大きくなってしまうのは私だけでしょうか。

また,パソコン上で原稿を修正していしまうと,紙面上で手書きで修正を入れている場合に比べて,変換ミスをおかすなどの新たなミスをしてしまうこともあります。

これは,紙面上でチェックしているときは客観的に原稿を見られるのに対し,パソコン上では客観的になれないからかもしれません。

それではパソコン上でチェックするのをやめればよいかというと,よりよい原稿にしていこうとすると,なかなか手書きチェックだけでは修正しきれない場合もあります。

そうなると,やっぱりパソコン上である程度の修正をする必要があります。

そこで,パソコン上で原稿修正をしっかり行ったと思った場合であっても,最終的にはプリントアウトをして,再度,紙面上でチェックを行えばよいのです。

このときのチェックは軽い素読み程度でも良いかもしれません。

いずれにしても,客観的に原稿を見るという行動をしないと,意外とミスを拾いきれなくなります。

初校でももちろん修正はできるから,ここで一手間かけなくてもよいと思う方もいるかもしれませんが,チェックをおろそかにしたがために,そこで拾えたかもしれないミスを最後まで拾えずに校了してしまわないとも言い切れません。

やはり,できる危機管理はやれるときにやっておくべきだと思います。



さて,補足ですが,上記の文章を入力中,「確率」を「確立」と誤変換しており,危うく見逃すところでしたので,リストアップしておきます。

2009年12月1日火曜日

同音異義語

昨日に引き続き,漢字関する話題です。

本日,小学校教材の企画を立てているときに,「てこのつり合い」のところで,「支点」が出てきました。

そこでふと思い出しました。

そういえば,以前「支点」が「支店」になっている校正紙を見たことがあるなぁ…と。

さすがに気づきましたが,字面が何となく似ているため,組版入力の方が気づかずに初校が上がってくるということがあります。

例を挙げたらいろいろとありますので,今まで出てきた同音異義語などの間違いについては,思い出したらその都度取り上げていこうと思います。

また,リストアップしておくと,その字面を見たときに目が留まります。

時間を作ってリストを作りたいものです。

さて,いま思い出したものを,少しだけ上げておきましょう。

小数⇔少数
重要⇔重量
移行⇔移項

と,3つ上げて見ましたが,やはりすぐには出てきませんね。

リストアップの必要性を改めて感じました。