2010年7月2日金曜日

燃焼

用語に関する説明というのは,教科書や教材,参考書によって微妙に違います。

用語を覚えることが理科の本質だとは思いませんが,教科書・教材・参考書に記されている表現によって,同じ用語でも,その用語のもつ意味の印象が変わることもあります。

例えば,「燃焼」です。

・激しく熱や光を出しながら酸化する反応を燃焼という。
・熱や光を出しながら激しく酸化が進む反応を燃焼という。

前者は,「激しく」が「熱や光」にかかっていて,後者は「酸化が進む」にかかっています。

前者のほうは,マグネシウムが明るい光を出して酸化しているような場合を燃焼というような印象を受け,空気中でスチールウールが赤っぽく光りながら燃焼するのは,燃焼ではないような錯覚を受けそうです。

もちろん,空気中でのスチールウールの酸化も燃焼ですので,この感覚は間違いです。

そうなると,後者のほうであれば,「激しく」が「熱や光」にかかっていないので,空気中での赤っぽく光ながらスチールウールが酸化する場合も,違和感なく燃焼と受け取れそうです。

どちらの表現も間違いではありませんが,言葉の並びがちょっと違うだけで,大きく印象が変わる例でした。