少し前の日経新聞に広告として掲載されていて気になっていた,田原総一朗著の「緊急提言! デジタル教育は日本を滅ぼす」(ポプラ社)を読みました。
タイトルとは裏腹にデジタル教育に関する内容は少なかったのですが,現在のデジタル教育が叫ばれるまでに至る,これまでの教育論の変化などを,さまざまな関係者の立場や話なども踏まえて述べられていました。
結論として,この本における田原氏の主張は,個人的には概ね賛同できました。
また改めて,「ゆとり教育」に対する自分の中での捉え方が,しっかりと肯定された気もします。
新学習指導要領になり学習内容が大幅に増えますが,教育としては「ゆとり教育」のままであるほうが,やはりよいかと思います。
しかし,その「ゆとり」を履き違えると,結局これまでと変わりません。
そこが難しいところです。
理科教材制作と話を結びつけると,執筆や編集に携わる人が知識詰め込み型のタイプであると,理科の本当の意味も本当の楽しさも,何もかもが伝わらず,理科ってつまらないな…ということが紙面から伝わってきます。
教材制作に携わる人も,ゆとり教育の本当の意味は何だったのかということをしっかりと受け止め,それを紙面に反映していかなければならないと個人的には思います。