先週は体力的に疲れた1週間でした。
火曜日から金曜日まで出張,それも立ちっぱなしの業務ということもあり,普段はデスクワークが多いわたしにとっては,なかなか体に堪えました。
また,出張時にはノートPCを持って行っていないので,毎度更新が滞り気味です。
さて,書きたいことはいろいろとありますが,今日はとりあえず直流電流計と直流電圧計の電気用図記号について書きます。
平成14年度から使用されていた教科書では,次のようなものでした。
それが,平成18年度の改訂から,Aの下にある線がなくなって,次のようなものになりました。
これは,平成9年から平成11年にかけて発行されたJIS C 0607 電気用図記号において,編集時の間違いを見逃したまま,JIS C 0607 電気用図記号を発行してしまったことに影響があります。
教科書の電気用図記号は,このJIS C 0607 電気用図記号をもとにしており,これが正しいものと信頼して平成14年度の教科書から,各社A・Vの下に線が入っている電気用図記号を用いました。
しかし,信頼すべきJIS C 0607 電気用図記号に,編集上のミスがあったわけです。
JIS C 0607 電気用図記号は,国際規格であるIEC 60617の第2版をもとに作成されています。
そちらでは, 直流記号を次のように示しています。
つまり,直流電流計と直流電圧計の電気用図記号は,次のものが正しいことになります。
JIS C 0607おけるこの間違いの正誤表が,平成17年4月に出されたことにより,教科書も平成18年度版から対応することになりました。
しかし,詳しいことはわかりませんが,下側の線を3本にせずに,直流・交流のどちらでも使用することができる下線なしの表記となりました。
教科書会社によっては,補説として正しい直流電流計と直流電圧計の電気用図記号を載せているところもありますが,表記が変わった理由には,上記のような経緯があったからです。
一部の問題集などにおいては,この訂正がなされておらず,いまだに下側の線が2本のものがあります。
そのような間違いを見られたら,校正の際には指摘していただけるとよいかと思います。