中学の教材を見ていると,細胞質と細胞質基質をごっちゃにしてしまっているものを多々みかけます。
細胞質は,原形質のうち核を除いた部分で,細胞膜や液胞,葉緑体,ミトコンドリア,ゴルジ体などの細胞小器官を含みます。
細胞質基質は,細胞質のうち細胞小器官を除いた部分です。
東京書籍と啓林館の中学教科書を見てみると,ちゃんとそれを理解した表現になっており,動物細胞と植物細胞の共通する部分は,核と細胞膜であるというような表現をされています。
しかし,中学の多くの教材では,動物細胞と植物細胞の共通する部分として,核と細胞膜に加えて,「細胞質」も共通であると言ってしまっているものが多々あります。
一概に間違いとも言い切れませんが,細胞膜も細胞質ですし,葉緑体も細胞質なので,すべてが共通といえるわけでもありません。
おまけに図中の引き出し線は,あきらかに細胞質基質を示して細胞質といっているのであろうということが読み取れます。
教科書執筆者や編集者はしっかりと違いを理解しているようですが,教材執筆者や編集者,および先生方の中には,根強く勘違いし続けている人が多い部分だと考えられます。
注意が必要でしょう。