2010年1月24日日曜日

浮かんで見える光の屈折の図

先日,うちの教材を使用していただいている先生から,ある質問をいただきました。

その質問とは,「水にコインが浮かぶ図がよくあるが,どのくらい浮かぶのか」という内容でした。

分かりやすいように,簡単に作図してみましょう。

とりあえず,入射角を60度とします。

そのときの屈折角は,屈折の法則「sin i /sin rn (ただし,i は入射角,r は屈折角)」,および水の屈折率 n = 1.3330 より,およそ42度となります。

これを作図すると,次のようになります。



この図に,コインに対して向かって左右の端にも光の線を引くと次のようになります。



さらに,入射光の線を延長した線を点線で加えてみます。



この図に,単純に底に沈んでいるコインを垂直に上げた場合の線と,先ほど延長した線との交点の位置にコインが浮かんで見えると思っていました。次の図のようにです。



しかし,教科書を見ると,そうではないようなことに気づきました。

大日本図書では,ほぼこのような図として描かれているのですが,啓林館ではやや手前に浮き上がって見え,東京書籍ではコインを例とはせず,パドルを例にした図ではありますが,やや手前に浮かんで見えるような図となっているようです。

イメージとしては次のような図です。



この理由がわからず,自宅にある参考書や高校の教科書などを見ましたが,どこにも載っていません。

そこで,インターネットで調べてみたところ,OKWaveに参考となる質問とその解答がありました。

http://okwave.jp/qa/q3427826.html

この解答のNo.3に参考URLがあります。こちらです。

http://www.page.sannet.ne.jp/matukawa/kussetu.htm

こちらを読むと,だいぶ納得できます。

残りの解答も完全に理解しきれているわけではないため,簡潔にここで解説できませんが,いずれにしましても,コイン単体で見た場合には手前に浮いているように見えるのであろうということは理解できます。

そのようなわけで,今後はそのように作図していきたいと思います。

それにしても,中学理科といえど,科学の難しさを再認識させられました。