2010年6月6日日曜日

反応熱

中学校の理科では,化学変化にともなう熱の出入りとして,燃焼熱,生成熱,中和熱が扱われています。

もちろん,中学では物質量や熱化学方程式等は扱われないので,化学変化にともなって熱が発生したり,熱を吸収したりする程度の話となります。

この化学変化にともなう熱の出入りが,新学習指導要領では2年生に学習することになります。

しかし,中和を3年生で学習することになることから,化学変化と熱の学習では,中和熱についての扱いはなくなるのかもしれません。


ところで,熱の出入りは化学変化だけで起こるわけではなく,状態変化や溶解などの物理変化でも起こり得ます。

冷却パックを例として,溶解熱を「発展」として取り上げられている教科書もあります。


中学では「化学変化にともなう熱の出入り」が学習内容となっているので,このような溶解熱等の物理変化にともなう熱の出入りは発展扱いとなります。

しかしどうせなら,状態変化にともなう熱の出入りも含めて,指導要領内としてしまってもよかったのではと,個人的には感じます。

それは,2年のからだのつくりとはたらきで,汗を扱いつつ,汗が体表から蒸発することで体温が下がるということから,気化熱を定性的に扱ってもよいのではという考えからです。

汗こそ,こどもたちにとって身近な内容であり,それを科学的に考察することこそが,理解を深めることにつながると考えられます。

そうはいっても,学校によっては,化学分野と生物分野のどちらを先に学習するかわからないので,関連性を出せないのかもしれませんが…。

いずれにしても,新学習指導要領では物理変化にともなう熱の出入りは学習指導要領外となるので,注意が必要です。