2010年6月7日月曜日

等加速度運動

中学3年の理科で,等加速度運動について学習します。

しかし,加速度という言葉は使用しないので「だんだん速くなる運動」という言い方をします。

この「だんだん速くなる運動」を学習するとき,斜面上を転がした台車を記録タイマーを用いて記録したテープを,0.1秒ごとに記録された打点を5打点ずつ(または6打点ずつ)切って並べた図をもとに,考察を行います。

この0.1秒ごとに記録され,5打点ずつ(または6打点ずつ)切って並べた記録テープの図をかき起こすのに,苦労している方も多いかと思います。

そんなとき,エクセルで作図してしまって,その図をイラストレーターさんに渡して,正確にトレースしていただけば,初校で間違った図があがってくることは,だいぶ減るかと思います。

では,作図方法です。

中学校で学習する等加速度運動は,初速度が0ですので,加速度を a ,時間を t とすると,移動距離 x は,次の式で表されます。

  x=1/2at2

この式をもとに,加速度 a をとりあえず「2」とおき,時間を0.1秒刻みとし,エクセルに展開していきます。



Aの列には,0.1秒刻みで時間を記しています。

Bの列には,加速度を2とおいたので,たとえばB2セルには,「=1/2*2*A2*A2」というような式を入れています。

Cの列には,差を入れています。たとえばC3セルには,「=B3-B2」というような式を入れています。

これで,Cの列には,0.1秒ごとに移動する距離が入ります。

これを5打点ごとに切り取ると,次のようになります。



これを,グラフウィザードでグラフ化すると,次のようになります。



これをPDFなどに書き出すなどしてイラストレーターさんに渡せば,かなり正確にトレースできるのではないでしょうか。

手描きの図版原稿に数値を記入するなどして作図指示を出すだけでなく,このような方法を使うと,より正確に作図していただけるかもしれません。