2009年10月13日火曜日

計算式中のミス

最近気になるのが,計算式のミスに気づかないことです。

外部の校正者や編集を依頼しているプロダクションの方々も含め,同じものを4~6人で見ているのに,みんなが同じところで校正漏れをしているということがあります。

そしておまけに,私まであやうく同じ箇所で校正漏れしそうになって,冷や汗をかいてしまうことがあります。

そのみんなが同じように校正漏れをする箇所というのが,解説の計算式中で使用されている算用記号のミス,特に分数が混じった計算式中の,×と÷が間違っていることに関するミスです。

どうしてみんなが同じところで校正漏れをしてしまうのでしょうか。

自分の校正の仕方から考えられることは,解説を見ながら校正をしてしまっていたことです。


初校では,解説を見ずに一度問題を解き,解答欄に導き出した答えを入れていきます。
そして,そのあと解答・解説と照合しながら解答・解説の校正を進めます。

しかしこのとき,問題を解くときに使用した計算式との照合がおろそかになっていることに気づきました。
本来であれば,解答を導くために使用した計算式は丁寧に書いておくなどし,それともしっかり照らしあわせる必要がありますが,自分の校正を振り返ってみると,計算過程を裏紙などに走り書き等で行っていることに気づきました。

高校の仕事をしていたときは計算が複雑なものもあるため,もう少し計算過程も丁寧に書き残しつつ校正をしていたのが,中学・小学の仕事をするようになり,おろそかになっていたようです。


そんな校正の仕方をしていて校正漏れをしたまま,再校に進んだとします。

再校になると,初校とは異なり,最初から解説を見ながらの校正を行うようになります。
そんなときに,実際に計算をしているようで,正確な計算ができていないということが起こっていました。

特に中学・小学の内容は,ほとんどが頭の中で暗算できてしまう程度の計算式です。
そのため,校正も暗算で行ってしまい,初歩的な計算ミスの校正漏れをしてしまうのだと思います。


このような単純な校正漏れを引き起こさないためにも,問題の校正は次のステップをしっかり踏んだほうがよいでしょう。

1.初校・再校では,解答・解説を見ずに一通り問題を解く。
  その際に,計算式は走り書きせず,丁寧に書いて残しておく。
2.模範解答と自分の解答を照らし合わせる。
  解説と解答を導き出した解法(計算式など)を照らし合わせる。
3.1・2が済んでから,初めて内容校正・文字校正・体裁校正に移る。

この1・2・3をまとめてやってしまうことに,初歩的な校正漏れが起こってしまうのだと思います。

特に再校でこれをやってしまうと,万が一初校で校正漏れしていた場合,その箇所をスルーしてしまう可能性があります。

やはりどれだけ初校でチェックをしたと思っても,再校でもそれなりの校正は必要だということです。


高校教材は複雑な計算があるため計算過程も当たり前のように丁寧に校正しますが,それ以上に中学・小学教材に出てくる簡単な計算式の校正は,慎重に行うべきだと感じました。