物質ごとの溶解度を紙面等で表示する際に,理科年表のデータを用いることがあると思います。
しかし,中学校では溶解度を100gの水に溶ける物質の質量で表しているのに対し,理科年表では100gの飽和水溶液中に溶けている物質の質量で表されています。
そのため,数値を換算しなければなりません。
というわけで,エクセルを用いて計算してみました。
範囲B3~G6に記されている数値が,理科年表に掲載されている値です。
これを,範囲H3~M6に100gの水に溶ける物質の質量として換算しています。
計算式は簡単です。例えばH3には,次のような式が入っています。
=(100/(100-B3))*B3
100g飽和水溶液中の水(溶媒)の質量を引き算で出し,その水の量を100gにしたときの比率で掛けただけです。
さて,ここで注意したいのが,これらの物質が無水物ということです。
中学校の実験で用いられている硫酸銅は,硫酸銅(Ⅱ)五水和物です。
そのため,硫酸銅を水に溶かしていくと,五水和物も一緒に溶けていくことになります。
よって,硫酸銅については,このことを踏まえて溶解度を算出し直さなければなりません。
というわけで,分子量を利用して算出してみました。
硫酸銅(Ⅱ)無水物の分子量が160,硫酸銅(Ⅱ)五水和物の分子量が250なので,無水物の値に250/160を掛ければ,五水和物の値になります。
例えば,D4のセルには =D3*250/160 の式が入ります。
ついでに,水和物の質量も出しておこうと思えば,例えばD5のセルには,=D4-D3 を入れればよいだけです。
さらに溶媒の質量も出しておこうと思えば,例えばD6のセルには,=100-D4 と入れればよいでしょう。
下の2行(五水和物・溶媒(水)の量)は余談ですが,100gの水に溶ける硫酸銅(Ⅱ)五水和物の質量を求めるには,先と同じように計算すればよいだけです。
例えば,J4のセルには,
=(100/(100-D4))*D4
と入れるだけです。
ご興味のある方は試してみてください。