括弧付き数字に,どのようなフォントを使用しますか?
例えば明朝体ではどうでしょう。
個人的に最も好きなのは写研フォント(本蘭明朝かな)のカッコ付き数字です。
しかし,仕事で写研を使うことはなくなり,会社ではDTP(InDesign)のみで,フォントもモリサワを使用することが主流です。
写研フォントの美しさはやはり最高だと個人的には感じますが,モリサワを使用することへの抵抗はそんなになく,特徴を理解してフォントを選べば美しく組み上げることも可能だと思います。
ただし,括弧付き数字だけは好きになれません。
どこが好きになれないかというと,括弧の中の数字が小さすぎるところです。
どうしてモリサワの括弧付き数字はあんなに小さいのでしょうか。
もっとはっきりと大きく見せたいのに,モリサワの括弧付き数字は主張が弱すぎます。
そんなとき,パーレンとの組み合わせで表現すれば数字を大きく見せられます。
「開きパーレン」と「1バイト数字」と「閉じパーレン」を使えば,数字が小さくなることはありません。
こんな感じです。
(1)(2)(3)・・・
しかし,一桁のときは1バイトフォント3文字分,つまり全角で1.5文字分なのですが,二桁になると1バイトフォント4文字分,つまり全角で2文字分になってしまいます。
そのため,小問番号として上下に並べると,揃えの見栄えが悪くなります。
やはり,全角1文字分(2バイトフォント)として用意されている括弧付き数字を使ったほうが,バランスがよくなるでしょう。
そこで私は,ヒラギノの括弧付き数字を選びます。
ヒラギノの括弧付き数字は括弧の中の数字が大きく,しっかり主張していて見やすいフォントです。
よくよく考えてみれば,ヒラギノフォントをデザインされている字游工房さんは,写研でフォントデザインをされていた方が立ち上げた会社です。
そのためなのか,モリサワにない写研のよさというのを持ち合わせたデザインのフォントもいろいろとあります。
モリサワもヒラギノも,個人的にはどちらが圧倒的に好きというわけではありませんが,組み合わせることで個人的に好きな明朝体を作ることも可能です。
そんなときにInDesignでは合成フォント機能がありますので,それが実現可能です。
でき上がった書籍を使う人がそんなことを気にして見ることはないと思いますが,少しでも見やすいほうが使いやすいということはあると思います。
ほんのちょっとしたフォントデザインの違いも,こだわってみるといろいろと発見できて面白いと思います。