2010年3月28日日曜日

新センター試験開発(朝日新聞)

asahi.comで,「新センター試験、開発へ模索 選抜機能強化めざす」という記事がありました。

『大学入試センターが2010年度から、新しい選抜試験の開発研究に着手することが分かった。入試の多様化で、今の大学入試センター試験では、受験生の学力が維持できず、選抜機能が弱まっているなどの指摘があることがきっかけ。』とのこと。

http://www.asahi.com/national/update/0327/TKY201003270421.html?ref=rss


高校全入時代と言われるなか,大学においても,大学を選ばなければ必ずどこかの大学に入れる全入時代になりました。

大学によっては,AO入試や推薦入試で入学者のほとんどを決めてしまい,学力試験で入学する学生はほんのわずかだといいます。

また,大学から見たAO入試や推薦入試の本質は学生確保であり,学力重視での選抜ではないため,入学してきた学生の学力低下が近年顕著になってきました。

それを防ぐために大学入学前にリメディアル教育などを大学側が行うなどの対策も施されています。

しかしそれでも学力低下傾向は止まらず,高校からの学校推薦の生徒を,あまりの学力不足から大学側が断るということも出てきてしまっているようです。


そんななか,asahi.comの記事では,

『試験開発部門では、高校の教育課程を生徒がどの程度理解しているのか到達度を測る「到達度試験」や、大学院での教育に必要な判断力や思考力が備わっているかをみる「適性試験」など、目的に応じた試験の開発を進める。特に到達度試験は、受験生が大学入学後、授業で戸惑うことがないように一定のレベルを維持する働きが期待されている「高大接続テスト」の事前研究の意味がある。』

と述べられています。

学力向上,または学力低下の歯止めとして,何かしらの試験というものの存在は必要だと思います。

試験のために知識を詰め込むことは意味がないという意見もありますが,学習のきっかけになればよいし,詰め込んだものがまったく今後に生きないということはまずないと思います。

受験勉強もせずに大学に入ってしまう学生が増え続けている現在,センター試験に限らず,何かしらの共通テストを受けるための勉強をする機会が,今後できることを期待します。