平成21年度の移行措置から,中学3年生で「月の運動と見え方」が加わりました。
月の見え方をやるのであれば,「三日月」という用語も出てきます。
ところで,三日月って何でしょうか。
Wikipediaでは次のように記されています。
『陰暦3日の夜の月。ここで言う陰暦とは、朔を1日とする暦、つまり、中国暦・和暦など太陰太陽暦を含む太陰暦のほぼ全てである。』
また,
『広義には(特に陰暦を使わなくなった現代では)、厳密に陰暦3日の月だけでなく、新月と上弦の間の広い範囲の月相を三日月と呼ぶことも多い。』
とも記されています。
前者の意味では,現在教材等の問題で作成されていて「三日月」を解答としているものの多くは不正確であると考えられます。
しかし,後者の意味で考えれば,不正確とはいえないことになります。
いずれにしても,中学の理科においては,月がどのように動いてどのように見えるかという科学的見地を理解させることが重要です。
コラム的に歴史的な意味合いでの名称を知るのもよいですが,まずは後者の考えで三日月を知っておくということでよいかと思います。
ですが,今回の主眼はそこではありません。
私が気になるのは,図版を起こす際の三日月の形です。
新月と上弦の月のちょうど中間の月を三日月として示すことが多いと思います。
このとき,実際に見える月の形よりも太く,上弦の月の2~3日前くらいの月で描かれているものをよく見かけます。
例えば,以下は,NASAのサイトにある三日月の写真です。
(金星もいっしょに写っています)
http://apod.nasa.gov/apod/ap090306.html
実際はこれくらいの細さです。
意外と細いといった印象を受けませんか。