いろいろな中学校教材を見比べていると,科学的に微妙に感じるものが意外と多いことに気づきます。
もちろん各教材において,そのような部分はほんの一部であり,使用している人はほとんど気づかないだろうと思われるものばかりです。
しかし,高校教材を編集している人や高校の先生などが中学教材を見ると,私と同じように感じる方は多くいるかもしれません。
高校教材では,執筆・編集・校正する人が,それぞれ物理・化学・生物・地学などの分野ごとの専門性が強いため,科学的な正確性も比較的高くなります。
対して小学校や中学校教材になると,物理・化学・生物・地学の4分野をまとめて同じ執筆者や編集者,校正者が制作することが多くなります。
そのためだと思いますが,専門性に乏しい分野などで,若干の科学的誤差が生まれてしまうのでしょう。しょうがないことかもしれません。
そういう私も専門家ではないため,分からないこと,知らないことなどまだまだたくさんあり,科学的に完璧なものを作るというのは,かなり高いハードルです。
このブログを始めたきっかけの中にも,そのような科学的な疑問などを少しずつでも解決して,少しでも科学的に正確な教材作りをしていきたいといった意図が少なからずあったからです。
理科は,実際に見たり触ったり実験したりすることが重要視されます。
しかし実際は,教材等の紙面上だけで勉強を終えてしまっている内容があるのも現実でしょう。
そんなとき,児童・生徒が科学的に少し誤った内容の教材で勉強してしまい,その知識のまま大人になってしまったら,図書教材制作に携わる立場としても,申し訳が立たないなという気持ちがときどきわきます。
そう思うと,使用する児童・生徒が使用しているときは気づかなくても,教材を提供する立場として,少しでも科学的誤解のないようなものを作っておきたいものです。
そのように思い,仕事で長くお付き合いのある一部の方への公開からこのブログを始めました。
しかし児童・生徒のことを考えたら,もっとそのような知識を広めて,科学的誤解のない教材が多くの児童・生徒の手に渡ったほうがよいのではと最近は思っております。
そのようなわけで,試しにしばらくブログを公開してみることにしました。