石灰水について,あるSNSで少し話題になっていました。
中学理科の制作に携わっている方も知っておくとよい知識なので,今回は石灰水と二酸化炭素の反応について記しておきます。
中学校では,石灰水に二酸化炭素を通すと,石灰水が白く濁ることを習います。
しかし,さらに二酸化炭素を通し続けると,石灰水は透明になります。
このことを,意外と知らない方が多いようです。
石灰水に二酸化炭素を通したときに白くなるのは,炭酸カルシウムCaCO3が沈殿するからです。
このときの反応は,
Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
です。
しかし,さらに二酸化炭素を通し続けると,カルシウムイオンと炭酸イオンに電離して,炭酸水素カルシウムの透明な水溶液になってしまいます。
そのときの反応は,
CaCO3+H2O+CO2⇔Ca2++2HCO3-
です。
なお,この反応は可逆反応(どちらの向きにも起こる反応)です。
ブログでは可逆反応の矢印が表現できなかったので,「⇔」を用いています。
この炭酸水素カルシウムの水溶液を加熱して二酸化炭素が放出され,再び炭酸カルシウムの白色沈殿が生じます。
中学理科教材制作でも,今回のSNSでの話題のように,ときどきこの話題を耳にします。
知っておくとよいかと思います。